Last time . 04 ページ20
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「おい、藤川、そこで寝るな」
「んー……」
「ベッド貸してやるから、そっちで寝ろ」
「……はるかぁ……」
「俺は冴島じゃない」
日付が変わる少し前になると、
アルコールが入った藤川が床に倒れ込んだ。
それを藍沢が揺り起こす。
「……まったく」
はあ、と息をつくと藍沢は藤川の身体を支え、
隣の部屋へと連れて行く。
その２人の様子を凛は笑いながら見つめ、
すぐに目の前のノートパソコンへと視線を戻す。
藍沢と藤川から勧められたアルコールを断り、
凛はノートパソコンへと文字を打ち込み続けていた。
そんな凛の肩に、ふわりと何かが触れた。
「冷えるだろ」
藍沢が、黒いパーカーを凛の肩へとかける。
ありがとう、と凛が呟くと、藍沢は向かい側に座る。
「先に休んでいいよ、藍沢先生。
救命医は休める時に休まないと」
「ん、ああ」
仕事を続ける凛を気遣っているのだろうが、
藍沢の瞳は眠たそうだった。
定時で帰宅し、急な呼び出しもない。
そんな時間が、
救命医にとってどれほど珍しいものなのか。
凛は藍沢の様子を見ながら思う。
しかし藍沢は席を立とうとはせず、
時折ゆっくりとグラスを口に運びながら、
凛の向かい側に座り続ける。
カタカタと文字を打ち込む音が、
２人の間に静かに響いていた。
「……ん、」
藤川は瞼を上げた。
何時だろう、と時計を探して視線を巡らせ、
そこが見知った自分の家でないことに気づく。
「……あ、藍沢の部屋か……」
家主がベッドを貸してくれたことに
感謝しながら周囲を見回すが、
そこに藍沢の姿はない。
時計が５時を示しているのを確認し、
藤川はベッドから降り、
リビングへと続いている襖を開けた。
「まだ起きて──」
るのか、と問いかけようとしたが、
藍沢と凛がそれぞれ机に突っ伏しているのを見て、
藤川は２人が眠っていることを把握する。
「風邪ひくぞー」
起こさないように小声で言いながら、
凛のパソコンを覗き込んだ。
そこには恐らく最後まで打ち込み終えたのであろう、
翔北救命センターに関する原稿が表示されていた。
藤川は笑みを浮かべながら、
彼女の肩からずり落ちているパーカーを手にする。
そっとそれを凛の肩へと掛けた。
「！」
凛の身体に触れた手が、ピタリと止まった。
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ri_n(プロフ) - ユーラさん» コメントありがとうございます(*^^*)リクエスト嬉しいです！検討します*(^o^)/* (2017年11月1日 12時) (
レス) id: a553a04bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ユーラ - Secret loveがと手の好みです！ もしよかったらくっつくまでの続編が見たいです！ (2017年10月31日 12時) (レス) id: 86e1c6423c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ri_n | 作成日時：2017年9月25日 20時
