Last time . 01 ページ17
▼時間軸はseason３。
藍沢がその女性を見つけたのは、
ある日の昼過ぎだった。
午前中の仕事を終え、食堂へと向かう途中、
病院内でカメラを構える女性がいた。
「なにしてる」
藍沢がそう声をかけると、
彼女はびくりと肩を震わせ、藍沢を振り返る。
癖っ毛なのか、くるりとした茶色の髪が揺れ、
少しきつい印象を与える瞳が藍沢を見上げた。
「わ、」
女性は小さく呟くと、カメラを藍沢に向けた。
藍沢は眉を寄せ、レンズを手で覆う。
「なにしてる、と聞いたんだ」
写真を撮るのを遮られた女性は
不機嫌そうに藍沢を見上げた。
「イケメンドクター、撮ろうとしただけでしょ」
「病院内で勝手に写真を撮るな」
「そんな言い方して、私が患者だったらどうするの」
「そうは見えないな」
首からカメラを下げたその姿は、
病院の患者にはとても見えない。
「まあ、患者じゃないけど」
女性はカメラを下げようとする。
藍沢もレンズから手を離した。
ねえ、と女性が笑いながら藍沢を見る。
「ここにさ、緋山美帆子、いる？」
彼女が発した名前に、
藍沢は不思議そうに眉を寄せた。
「さっきの患者さんなんだけど」
「ああ、須藤さん？」
白石と緋山は
患者について話しながら昼食をとっていた。
そこへトレイを持った藤川と冴島が近づく。
「なあなあ、さっき藍沢が女といたんだよ」
にやにやと笑いながら藤川が２人に話しかける。
「女？患者とかじゃないの？」
「そんな感じじゃなかったんだよ。
なあ、はるか」
緋山が眉を寄せながら言うと、
藤川は冴島に視線を送る。
冴島は藤川の言葉に頷いた。
「見覚えもありませんでした」
彼女とかかな、と楽しげに言う藤川に、
緋山がまさか、と笑う。
２人の向かい側に座る白石と冴島が同時に
あ、と声を上げた。
「どしたの、はるか」
「藍沢先生」
首を傾げた藤川に、冴島は彼の向こうを見つめて言う。
白石と冴島の視線に気がついたのか、
藍沢が４人の姿を見て、
隣にいた女性に何か話しかける。
緋山と藤川は振り返り、藍沢の姿を探した。
────ガタッ
藍沢と女性の姿を捉えた緋山が勢いよく立ち上がり、
ほぼ同時に女性が声を発した。
「お姉ちゃん！」
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ri_n(プロフ) - ユーラさん» コメントありがとうございます(*^^*)リクエスト嬉しいです！検討します*(^o^)/* (2017年11月1日 12時) (
レス) id: a553a04bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ユーラ - Secret loveがと手の好みです！ もしよかったらくっつくまでの続編が見たいです！ (2017年10月31日 12時) (レス) id: 86e1c6423c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ri_n | 作成日時：2017年9月25日 20時
