恋焦がれ。�� 01 - 名取 ページ13
▼「恋焦がれ。」続編。
櫻井凛は藍沢らの同期。
時間軸はseason３。
今日も変わらぬ時間が過ぎていく。
そう思いながら、
名取は手元のスマートフォンを弄る。
特別何をしているわけでもないが、
手持ち無沙汰なのだ。
適当なニュース記事をスクロールしていく。
「こら、仕事中だぞ」
「！」
パッとスマートフォンを取り上げられ、
驚いて顔を上げる。
そこにいる女性の姿に、名取は心臓が跳ね上がった。
「凛先生、」
彼女の名前を呼ぶだけで体温が上がり、
口腔内がカラカラになるような気がした。
にこりと微笑んだ凛は、
スマートフォンを名取へと返し、隣に座る。
その、触れてしまいそうな距離に、
名取は心臓が破裂しそうになった。
「どう、したん、ですか」
冷静に、と自分に言い聞かせながら、
問いかける。
凛は書類の挟まったバインダーを名取へと渡した。
「これ、書き方間違ってる」
「え、」
「ほら、ここ」
す、と凛が手を伸ばしてくると、
一気に距離が縮まり、肩が触れた。
バクバクと暴走する心臓の音が、
彼女に聞こえてしまうんじゃないかと名取は思う。
「名取くん？聞いてる？」
凛が名取の顔を覗き込むと、
名取は頬を紅潮させた。
「顔赤いけど、熱でもあるの？」
「あ、いや、」
凛の手が名取の前髪を掬い、額に触れた。
少し冷たい手のひらの感覚に、
名取の心臓が痛いほど高鳴る。
熱あるわけじゃないのか、と彼女の手が離れる。
彼女が離れてしまうのが切なくて、
その手を掴もうと、名取は腕を上げようとした。
「────凛」
しかし、それは低く通った声によって阻まれた。
「あ、悪い、名取も一緒だったか。
取り込み中か？」
藍沢がタブレットを手に、首を傾げていた。
「ううん、大丈夫。どうしたの、耕作」
凛が立ち上がり、
名取は彼女に触れることの叶わなかった腕を下ろす。
藍沢の方へと行こうとして、
凛は名取を振り返った。
「名取くん、具合悪いようなら早退する？」
「あ、いえ、大丈夫です」
「そう？じゃあ、書類書き直して、
雪村さんに渡しておいて」
「分かりました」
名取に微笑みかけ、凛は藍沢の傍に寄る。
圧倒的な存在感を放つ２人に、
名取は視線を反らした。
.
恋焦がれ。�� 02 - 名取→←近くて、遠い君 03 - 新海
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ri_n(プロフ) - ユーラさん» コメントありがとうございます(*^^*)リクエスト嬉しいです！検討します*(^o^)/* (2017年11月1日 12時) (
レス) id: a553a04bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ユーラ - Secret loveがと手の好みです！ もしよかったらくっつくまでの続編が見たいです！ (2017年10月31日 12時) (レス) id: 86e1c6423c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ri_n | 作成日時：2017年9月25日 20時
