近くて、遠い君 03 - 新海 ページ12
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彼女はへリポートの柵に腰掛け、
ドクターヘリを見つめていた。
「─────凛先生」
名を呼んでも、彼女はこちらを振り向くことなく、
機体に視線を向けたままだった。
ふぅ、と息を吐き出しながら、
凛は空を見上げる。
「……凛先生、」
──中途半端に優しくしても、尚更傷つけるだけだ。
藍沢が凛を冷たく突き放したのは、
彼女を傷つけたくなかったから。
新海はそれを凛へと伝えようとする。
「藍沢は、」
「分かってるよ」
しかし、凛は新海の言葉を遮った。
柵から降り、くるりと振り返った凛は、
優しく微笑む。
「わざと、突き放すような言い方したんでしょ」
「………」
「本当に優しい人。不器用だけど」
ふふ、と凛は笑った。
「ずっと好きだったんだもん、分かるよ」
でもやっぱりショックで飛び出してきちゃった、
と言いながら、凛は再びヘリへと視線を向ける。
「強くて、優しい。そうじゃなきゃ、
フライトドクターなんて、なれないよね」
藍沢の強さを、そして優しさを、
凛は理解していた。
その後ろ姿に、新海は胸が苦しくなる。
やはり、入り込む隙間などないのだろう、と。
「よし、戻ろうか。
お迎えありがとう、新海先生」
「……ああ」
彼女を抱き寄せてしまいたい気持ちを押し殺す。
そんなことをしても、
凛が藍沢を想う気持ちは変わらないだろうし、
ただただ、困らせてしまうのだろう。
なら、今のまま、彼女の良き理解者でありたい。
「あ、新海先生」
「ん？」
「今度、日勤一緒の日、飲みに行こうね」
「……ああ、いいよ」
それが、彼女の１番傍にいる方法なのだから。
Fin.
▷オチがない。
きっとこのヒロインは諦めないタイプなので、
この後、ケロっとして藍沢先生を誘うと思います。
いつか、新海先生のことも見てあげてほしいな←
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ri_n(プロフ) - ユーラさん» コメントありがとうございます(*^^*)リクエスト嬉しいです！検討します*(^o^)/* (2017年11月1日 12時) (
レス) id: a553a04bd8 (このIDを非表示/違反報告)
ユーラ - Secret loveがと手の好みです！ もしよかったらくっつくまでの続編が見たいです！ (2017年10月31日 12時) (レス) id: 86e1c6423c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ri_n | 作成日時：2017年9月25日 20時
