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「矛盾してるよ？コナン君」
頭を悩ますオレに、月城さんは優しくなじった。
オレは、灰原をここに連れてきたあの日に見た、蠱惑なナニカに近い雰囲気を感じ取り、自然と身構える。
この辺りだっただろうか、月城さんがいつもの月城さんではない何者かに見え始めたのは。
「君は、俺やその裏にある巨悪を打ち倒そうとしている。それなのにこんな手前のちっぽけな男一人にあらぬ感情を抱いてしまっている……」
相手を引きずり込むような言い回し、適度な速さ、そして話の流れ。全てが彼の手の中であるように、嫌な汗と共にオレは彼の話に飲み込まれていく。
「事実を言えば、犯罪者の仲間が目の前にいて、その場で捕まえることが出来たというのに、泳がせるような事をした――……そうだろ？」
「ちがっ――」
「俺は、君が思っているよりも遥かに、黒に染まった人間なんだよ」
まるで諭すように放たれた言葉は、しばらくオレの中でぐるぐると渦巻く。
一度は抗おうとしたオレだったが、彼がそう言い切る頃には彼に圧倒され、出る言葉が無かった。
オレも月城さんも黙ったままお互いを見つめ合っていると、会話が途切れたのを見計らったのか、梓さんが出来上がったアイスコーヒーをテーブルに届けに来るのが見えた。
まさか話の内容を聞かれてしまっていたかと緊張が走る。
だが、梓さんが口にしたのは思いもよらない言葉だった。
「白熱だね、二人とも。練習頑張ってね！」
「ありがとうございます」
アイスコーヒーを二つ置き、オレたちを激励して去っていった梓さんの背中を見つめつつ自分へ問いかけるようにオレは呟く。
「練習……？」
「『劇の練習をしている』面白い言い訳じゃない？」
オレが困惑しているのを見て、月城さんは悪戯な顔で笑った。
「……用意周到だね」
「そうでもしないとやっていけないよ？」
決してどこでと言った訳では無い。それに加え、今の月城さんの言葉は冗談交じりな言い方だった。
しかし奴らの手口をよく知るオレにとって、その抜け目のなさは、やはり彼も組織の仲間なのだなと実感させられてしまった。
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izawa(プロフ) - 東雲虚さん» ありがとうございます！ (7月24日 21時) (
レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
東雲虚 - とても面白い作品でした 更新楽しみに待ってます！ (7月10日 14時) (レス) @page41 id: 272de617c9 (このIDを非表示/違反報告)
izawa(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2022年10月5日 19時) (レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 51話、ブロンズヘアーじゃなくて、ブロンドヘアーです。 (2022年10月5日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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