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いずれにせよ、何も分かっていないオレはこれ以上話を続けられない。
オレは月城さんの言う通り、この件についてはまた今度考えることにするべきであろう。
そこでオレは気になっているもう一つのことについて尋ねることにした。
「……逃げなかったんだね」
昨日、オレが去ろうとする月城さんに声をかけたのは確かだ。しかし、今日ここに来るという月城さんの行動が、奴らの仲間としては異様である。
オレが月城さんの正体について訊きに来ると分かっていたのなら尚更だ。
「ああ。昨日コナン君に引き止められちゃったからね。だからこうやって今日もバイトに来てる」
続けてボソッと「本当は来る予定じゃなかったんだけどね……」と呟いた月城さんは、どうやらこうなることを望んでここに来ているようだった。
また、本来の予定ではないということは、やはり組織の人間としてこの行動は間違っていると、そう自覚しているのも確かなようだ。
オレは、そうしてまでオレに対話の機会を設けた月城さんが不思議でたまらなかった。
「俺のこの行動がよく分からないって顔をしてるね。まあ、それもそうだよね。俺もこんなこと初めてだし」
オレを分かったように話し出した月城さんに、オレの素直な疑問をぶつける。
「……月城さんなら、この後ボクとの話が終わったらどうなるかくらい、分かってるんじゃない？」
「そうだね。ご丁寧に先手を打たれているから大体は……ね」
当たり前のように即答した月城さんは、小型の機械の入った透明な袋――恐らくその中身は盗聴器を手に、ヒラヒラとそれをオレに見せつつ、眉をひそめて答えた。
盗聴器を仕掛けたのはおそらくFBI。その理由はもちろん月城さんを監視するためだろう。もしくはその先、バイトの終わった月城さんを待ち伏せて捕らえようとしていたのかもしれない。
それもきっと、昨日オレが月城さんを引き止めていた事を見ていたから。オレが月城さんは奴らの仲間だと言ったから。やはり先に仕掛けていたのだ。
一人でも多くの組織の仲間を捕まえておきたいFBIとしては、理解の出来る行動だろう。
だが、月城さんはどうだろうか。
自身が盗聴され、監視されている事を見抜いておいてなお、月城さんはオレの事をポアロで待っていた。
「月城さん、本当に悪い人なの……？」
たまらずオレはそう訊いていた。
組織の人間にしては随分間抜けと思われる行動をしている月城さんに。
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izawa(プロフ) - 東雲虚さん» ありがとうございます！ (7月24日 21時) (
レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
東雲虚 - とても面白い作品でした 更新楽しみに待ってます！ (7月10日 14時) (レス) @page41 id: 272de617c9 (このIDを非表示/違反報告)
izawa(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2022年10月5日 19時) (レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 51話、ブロンズヘアーじゃなくて、ブロンドヘアーです。 (2022年10月5日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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