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「あーえっと……。月城さん、明日はシフト？」
だからだろう、気付いたらオレは、場違いにも程がある事を聞いてしまっていた。
こんなこと、オレから聞いたこともないし、彼も聞かれたことはないだろう。
月城さんは一度「えっ？」と目を丸くした後で答えてくれた。
「あー、明日は……うん、シフト入ってるよ、午後から」
「……そっか！」
月城さんは、「じゃあね」とオレに再び背を向ける。
その姿に、オレは一つの焦りを覚えた。
上手く感じたことを言い表せないが、どうもこのまま別れてしまったら、一生月城さんとは会えないような気がしたのだ。
「……ボク、明日ポアロで待ってるから！」
月城さんの背中に向けて投げかけた言葉は、オレにしては下手な日本語だった。
この時、オレはとにかく必死だった。
彼を引き留めるように、期待と希望を持って彼に届くようにそう叫んだ。
「……ぷっ、あはははっ！」
オレは、初めて月城さんが大笑いしている姿をこの目で見た。
彼の鉄壁の無表情が崩れ去った瞬間を目の当たりにした。
らしくないと言われればそうである彼の笑顔は、いつもの大人な雰囲気とは違って、無邪気で子どもらしかった。
突然笑い出して驚きを隠せていないオレに向かって、月城さんは微笑んだ。
「それはこっちのセリフだよ。明日、お待ちしています」
その言葉に、オレは表情が緩むのがわかった。
月城さんがちょうど角を曲がり、見えなくなったところで、ジョディ先生がオレに声をかけた。
「さっきの彼、何者なの？随分と年齢に合わない性格しているみたいだけれど……」
奴らが先程まで何を話していたかなど知らないジョディ先生は、ただ単純に月城さんのことが気になったようだった。
オレは一度、月城さんの去った方向を見てから答える。
「月城さんは……奴らの仲間だよ」
「そうなのね。……ええっ？！じゃあなんで引き留めておかなかったのよ！」
ギャグのお手本のような反応をしたジョディ先生に、オレは両肩を掴まれる。
大失態だと言わんばかりの表情で顔を歪ませる先生に、オレは火に油を注ぐような言葉を続けた。
「……大丈夫。あの人は逃げないから」
To be continued……
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izawa(プロフ) - 東雲虚さん» ありがとうございます！ (7月24日 21時) (
レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
東雲虚 - とても面白い作品でした 更新楽しみに待ってます！ (7月10日 14時) (レス) @page41 id: 272de617c9 (このIDを非表示/違反報告)
izawa(プロフ) - 明里香さん» ご指摘ありがとうございます！修正しました！ (2022年10月5日 19時) (レス) id: f153ef9291 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 51話、ブロンズヘアーじゃなくて、ブロンドヘアーです。 (2022年10月5日 6時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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