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ビールを勢いよく流し込むのを見て、私もサワーを煽った。
チーズの包み紙を剥がして口の中に入れる。
「俺もチーズ欲しい」
と言って抱きついて来た颯馬くん。
目の前にあるのに、と思いながら手を伸ばすと、その手は遮られた。
食べたいって言ったのそっちじゃんなんて文句を言おうと颯馬くんの方を見ると、唐突にキス。
ちょ、ちょ、ちょ！
びっくりして押し剥がそうとするが上に乗られて、逃げられるはずがない。
ビールの匂いがほのかにして、口の中にもじんわりとビールの味。
押し付けるような、強いキス。
ビールの香りとチーズと、彼の唇でもはや何が何だかわからない。
と、ぱっと顔が離された。
「チーズ欲しいから口開けて？」
彼の顔はお酒のせいか赤くて、目も潤んでいて、そんな顔で見られたら女の子みんな好きになっちゃうよ？なんて思う。
「ねえ、欲しい」
首の後ろに腕を回され、笑みを浮かべながら近づいて来る顔。
魔法が解けるように僅かに開いた自分の唇に、待ってましたと言わんばかりに颯馬くんの唇がぶつかる。
ビールと彼の舌で更に熱くなる自分の口に、チーズなんか溶けてしまっていた。
「何かわいい顔しちゃってんの？」
おでこをコツンとぶつけて聞いてくる颯馬くん。
「どこにも行くなよ、お前」
ぽそりと呟いた彼の言葉に、颯馬くんはハッとして誤魔化すようにビールを手に取る。
ビールを飲んだ颯馬くんが、私の飲んでいたサワーを見つめ、「それ飲ませて」と指差した。
缶の口を颯馬くんに持っていき、傾ける。
「…ん、」
ゴクリと動く喉仏。なんか、名取先生と悪いことをしてるような気分になった。
背徳感？
「ビール飲みたい？」
サワーを飲んだ颯馬くんが残り少ないビールの缶を左右に振って言う。
いや、こういう時の名取先生は危険だ。とても。
自分の中の安全管理委員会がNOという言葉を結論に出したので、首を横に振ろうと思ったのに
ビール缶が自分の口に付けられたので飲むしか無くなる。
「…にが」
渋い顔をした私に、楽しそうに笑う颯馬くん。
「そろそろ寝るか、もう日付回っちゃうし」
え、もうそんな時間？
楽しい時間は早くすぎるものだ、とシュンとなりながらも頷いた。
「何その顔。明日二人で寝坊して仕方なくズル休みする？」
何その誘い。ずるすぎ。
「それとおんなじぐらい、病院にも行きたい」
「出た、医療バカなとこ」
そう言いながらも颯馬くんは私の頭を撫でて片付けを始めた。
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べーちゃん(プロフ) - この物語すごく好きです！！キャラクターもシチュエーションもとてもリアルです！あの二人がメインなのに、他の人もみんなちゃんと出てくるし、主人公とみんなとの関係もとても興味深いです。友達におすすめします！！(o^^o) (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
吹田(プロフ) - 来夢來都さん» 最初から読んで下さりありがとうございます！手術シーンは自分なりに調べてはいるんですが、かなり不安なのでそう言ってくださると嬉しいです(T_T)ツンデレ名取先生これからもたくさん出していきますね！頑張ります！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: cc397255a5 (このIDを非表示/違反報告)
来夢來都 - 最初読んでからずっと好きです!!文系なのにあんなリアルな手術シーンが書けて羨ましいです…。名取先生のツンデレ？っぷりがすごい好きです。更新頑張って下さい。 (2018年8月4日 12時) (レス) id: 6d1fb143e7 (このIDを非表示/違反報告)
吹田(プロフ) - りりぃさん» わ！とっても嬉しいコメントありがとうございます！(^o^)頑張ります！ (2018年7月27日 10時) (レス) id: cc397255a5 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ものすごく“きゅん”が詰まってて大好きです！更新頑張ってください！ (2018年7月26日 6時) (レス) id: b0335d08b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹田 | 作成日時：2018年7月19日 21時
