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オペは想像以上に長引いた。時計を見る余裕はないが、3時間は超えてると思う。
「名取、その神経気をつけろよ」
「はい」
出血源が多すぎる…
「もう少し血を出そう。体温を下げたい」
「わかりました」
でもこれ以上血圧が下がると危険だ。
ふぅー、と息を吐き気合いを入れ直す。
「よし、出血は止まったな。減圧に移ろう」
「わかりました。ドリルください。FFPもっと溶かして貰えますかー？」
頭蓋骨の一部を除去することで圧を減らす。少しでも失敗したら、終わりだ。
「名取、早くしろ」
「すみません…」
そんなこと考えている余裕もない。脳ヘルニアになったら死ぬかもしれないも何も死ぬんだし。
頭蓋骨の一部を除去すると、容姿も変化してしまう。でも、あの旦那さんなら大丈夫だ。
俺Aの頭の形変でも多分好きでいれるし。
ドリルで穴を開けて藍沢先生が少しずつ骨を除去していく。
「また出血した」
急いで出血源を見つける。柳田さんの血圧がまた下がってきた。
「止めます」
また藍沢先生が除去を始める。
大きなカケラをトレーに置いた時。カラン、という音がした。
その音と同時に、モニターを全員が見つめた。
「バイタル安定してきました…！」
冴島さんの声に、藍沢先生が「よし、」とドリルを置く。
「後は頼んだ。落ち着いたら俺の方からご主人に説明しておく」
「わかりました」
ここから後はもう余裕だ。糸と針ください、と伝える。
プチン、と言う音を立てて糸を切った。ハサミを置く。
手袋を捨てて手を洗う。
さすがに疲れたな…
ぐっと上に伸びをして廊下に出た。
しかし、あの状況、普通ならもう諦める寸前だった。
藍沢先生の手つきはいつ見ても確実で必要最低限。
あんな風になれたら緋山先生は安心して周産期に戻れる…
いやいやいや、バカなことは考えるもんじゃない。
頑張ったところでああなれる保証なんてない。俺は俺ができることをするだけ。
「もう夕方かよ」
朝机に置かれていたファイルに書類…今日の外来の診断書の入力に、さっきのオペの経過報告…
ま、ぱぱっと終わらせるか。すぐにICUの方へ向かった。
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べーちゃん(プロフ) - この物語すごく好きです！！キャラクターもシチュエーションもとてもリアルです！あの二人がメインなのに、他の人もみんなちゃんと出てくるし、主人公とみんなとの関係もとても興味深いです。友達におすすめします！！(o^^o) (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
吹田(プロフ) - 来夢來都さん» 最初から読んで下さりありがとうございます！手術シーンは自分なりに調べてはいるんですが、かなり不安なのでそう言ってくださると嬉しいです(T_T)ツンデレ名取先生これからもたくさん出していきますね！頑張ります！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: cc397255a5 (このIDを非表示/違反報告)
来夢來都 - 最初読んでからずっと好きです!!文系なのにあんなリアルな手術シーンが書けて羨ましいです…。名取先生のツンデレ？っぷりがすごい好きです。更新頑張って下さい。 (2018年8月4日 12時) (レス) id: 6d1fb143e7 (このIDを非表示/違反報告)
吹田(プロフ) - りりぃさん» わ！とっても嬉しいコメントありがとうございます！(^o^)頑張ります！ (2018年7月27日 10時) (レス) id: cc397255a5 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ものすごく“きゅん”が詰まってて大好きです！更新頑張ってください！ (2018年7月26日 6時) (レス) id: b0335d08b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹田 | 作成日時：2018年7月19日 21時
