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落ち着いてから資料室を出て、MRI室へ走る。
扉を開けると雪村さんが検査結果を出してくれた。
暫くすると藍沢先生も入ってきた。眉間にしわを寄せながら、
「やはり大動脈炎症だな。II a型か」
と検査結果を眺めながら話す。
「確かに上行大動脈に見られますね。内科療法で経過を見ます」
「…そうだな。だがいつ急変するかわからない。患者の状態をよく見ておけ」
「わかりました」
藍沢先生はそう言うと立ち上がり、部屋を出ようとした。
が、足を止める。
「桜田」
「はい」
「お前、顔ひどいぞ。その顔で診察されても患者が不安になる」
それだけ言って出て行った藍沢先生。
え、藍沢先生に言われるぐらいやばいの私？
ポカンとしてしまったが急いで鏡を見る。
うわあ…別にそんな泣いてないのにマスカラちょっと落ちてる…
新しいのに変えないとな…
「あの、桜田先生。患者さん病室に戻していいですか？」
違う違う、そんなこと考えてる場合じゃなかった。
「いや、本人とご家族に説明するので相談室に案内してください」
「わかりました」
取り敢えずは灰谷先生から貰ったティッシュでマスカラを拭き取って相談室へ走る。
自分の顔は後で直せばいいだろう。
灰谷先生から貰ったポケットティッシュを握りしめながら、あの言葉は忘れないでいようと思う。
エレベーターのボタンを押して、エレベーターが来るのを待った。
ふと、廊下を見ると、緋山先生と颯馬くんが話しながらどこかの病室へ向かっている。
向こうはこちらに気付いてないようで、私は見つめてしまった。
なんか、颯馬くん楽しそう。
今朝といい、私は颯馬くんのこと、まだまだ知らないことだらけなんだなあと感じた。
仲のいいナースのことも知らない。緋山先生と一緒にいる時の楽しそうな顔も。
ぼーっと考え事をしているとエレベーターが開いた。
エレベーターに乗り込もうとした瞬間、颯馬くんがふと振り返った。
バチッと合ってしまう目。
眉をひそめた颯馬くんの表情を見て、私は急いでエレベーターに乗った。
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べーちゃん(プロフ) - この物語すごく好きです！！キャラクターもシチュエーションもとてもリアルです！あの二人がメインなのに、他の人もみんなちゃんと出てくるし、主人公とみんなとの関係もとても興味深いです。友達におすすめします！！(o^^o) (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
吹田(プロフ) - 来夢來都さん» 最初から読んで下さりありがとうございます！手術シーンは自分なりに調べてはいるんですが、かなり不安なのでそう言ってくださると嬉しいです(T_T)ツンデレ名取先生これからもたくさん出していきますね！頑張ります！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: cc397255a5 (このIDを非表示/違反報告)
来夢來都 - 最初読んでからずっと好きです!!文系なのにあんなリアルな手術シーンが書けて羨ましいです…。名取先生のツンデレ？っぷりがすごい好きです。更新頑張って下さい。 (2018年8月4日 12時) (レス) id: 6d1fb143e7 (このIDを非表示/違反報告)
吹田(プロフ) - りりぃさん» わ！とっても嬉しいコメントありがとうございます！(^o^)頑張ります！ (2018年7月27日 10時) (レス) id: cc397255a5 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ものすごく“きゅん”が詰まってて大好きです！更新頑張ってください！ (2018年7月26日 6時) (レス) id: b0335d08b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹田 | 作成日時：2018年7月19日 21時
