5章『休暇』 ページ1
side 名取
「おはようございます」
「ああ名取か。おはよ」
エレベーターに乗って携帯を触っていたら、緋山先生が乗ってきた。
スマホをしまうと、緋山先生がニヤニヤしながら
「何、愛しの彼女にラインでもしてた？」
とか聞いてくる。
めんどくせぇ、とは思いながらも返そうとすると、緋山先生がこちらに振り返った。
「あ、でもすぐに会えるか」
「今日は休みですよ」
「へえ、珍しいね」
珍しいから休んでんだよ、平気な顔して何週間も働くからあのアホは。
「じゃあ名取も今日は早めにあがれば？」
緋山先生の言葉に、「別に普段通りでいいですよ」と返した。
エレベーターが着いたので二人とも降りる。
スタッフステーションのホワイトボードには『桜田 休み』の文字。
「名取先生、おはよ」
「おはよう」
その文字に気を取られて横峯と灰谷に気付くのに遅れた。
「ああ、はよ」
なんか横峯と灰谷が笑ってる気がするのは気にしない。
雪村さんがいつもと変わりなく「おはようございます、これお願いします」と大量のファイルを積んでいった。
まぁ逆に雪村さんから茶化されたらなにが起こったんだよって思うけど。
大量のファイルに、桜田がいない現実。
取り敢えずラウンド行こ。
「名取、これも書いといて」
そう思い立ち上がったのにも関わらず、緋山先生が机に置いた真っ白の書類たち。
さっきの早めに上がれ発言は本心じゃねぇな、と思いながら、「わかりましたー」と返した。
しかも時間かかりそうだな、時間見つけて書いとくしかないな…
「名取先生、おはようございます」
書類をパラパラとめくっていると、心臓外科の新人ナースの山田さんが声をかけてくる。
「おはよ」
山田さんは冴島さんを見つけて何かを渡すと俺の方に戻ってきた。
「名取先生今日はヘリ担当じゃないんですね」
「うん。今日は外来かな」
返すと、そうなんですね〜と言われた。
「じゃあたまにはお昼一緒にどうですか？」
「そうだな…奇跡的にお昼の時間が被ったら別にいいよ」
「えぇ、いつですか？名取先生のお昼の時間」
そんなやり取りをしてる奥で、横峯と目があった。
…なんかめっちゃ鋭い目で見られてるな、俺。
「ごめんね、俺ちょっと患者さん見に行かないといけないから。お昼の時間は患者さんの数によるし、緋山先生にこき使われるかもしれないからわかんないかな」
そう山田さんに言って急いでその場から逃げた。
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べーちゃん(プロフ) - この物語すごく好きです！！キャラクターもシチュエーションもとてもリアルです！あの二人がメインなのに、他の人もみんなちゃんと出てくるし、主人公とみんなとの関係もとても興味深いです。友達におすすめします！！(o^^o) (2018年9月17日 21時) (
レス) id: 0bf64f6267 (このIDを非表示/違反報告)
吹田(プロフ) - 来夢來都さん» 最初から読んで下さりありがとうございます！手術シーンは自分なりに調べてはいるんですが、かなり不安なのでそう言ってくださると嬉しいです(T_T)ツンデレ名取先生これからもたくさん出していきますね！頑張ります！ (2018年8月5日 0時) (レス) id: cc397255a5 (このIDを非表示/違反報告)
来夢來都 - 最初読んでからずっと好きです!!文系なのにあんなリアルな手術シーンが書けて羨ましいです…。名取先生のツンデレ？っぷりがすごい好きです。更新頑張って下さい。 (2018年8月4日 12時) (レス) id: 6d1fb143e7 (このIDを非表示/違反報告)
吹田(プロフ) - りりぃさん» わ！とっても嬉しいコメントありがとうございます！(^o^)頑張ります！ (2018年7月27日 10時) (レス) id: cc397255a5 (このIDを非表示/違反報告)
りりぃ(プロフ) - ものすごく“きゅん”が詰まってて大好きです！更新頑張ってください！ (2018年7月26日 6時) (レス) id: b0335d08b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：吹田 | 作成日時：2018年7月19日 21時
