裏腹、恋してる (ページ3)

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そのまま橘先生と共にカンファレンスが行われる会議室へと入っていった。

「だから、こんなタイミングで新人入れてどうするんだって話！」

途端に響いた声。

え、あれ。もしかして私の、こと？

そう言っていた女の先生は、他の先生に睨まれ口を押さえる。

見渡すと、先ほどの男性もいた。

「えーっと…始めていいか？緋山」

橘先生が前に立ち、先ほどそう言った先生の方を見る。

「すいません、どうぞ」

先生は多少反省したように頭を下げて私の方をチラリと見た。

橘先生は一瞬やりにくそうな顔をした後に咳払いをして話し始める。

「えー、今日もいつも通り業務を始めるんだが、その前に一つ。新人を紹介させてくれ。」

私にアイコンタクトを取ったので、橘先生の方へ走った。

そこにいる、ほとんどの視線が私へと集まっていく。

「研修医として他大学から来てもらった、桜田だ。」

「本日から、この翔北大学付属北部病院救命センターで、フェローとして学ばせて頂きます。桜田Aです。お願いします！」

お辞儀をしてから目線を戻すと、大体状況がわかった。数人が歓迎ムード。他の人たちは歓迎してないムード、と分かりやすい。

「みんなが言いたいことはわかる。が、この状況だからこそだ。緋山と藍沢はもう少しでいなくなる。藤川は新婚だからヘリには乗れない。実際、今大きな事件があったら厳しいだろ？」

この言葉に顔をしかめたのは、奥にいた3人の先生たちだ。きっと、フェロー。

「…だったら医者を引っ張ってこればいいのに」

そう呟いたのはさっきの緋山先生？だ。

「言っておくが、彼女は他大学で研修医をしていた。救命やったことのない現場を知らない医師よりマシだよ」

「緋山先生、もう決まったことだから。」

そう宥めた先生は………かわいい。めっちゃめちゃ可愛い先生だ。

「あ、スタッフリーダーの白石です。よろしくね」

さっきまで色々言われて多少凹んでたけど、この人がリーダーなら、私がんばれそう。