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目が覚めると、布団の上だった。
どうやら私は誰かに命を救ってもらったらしい。
私を救ってくれたおじいさんは、ヴォルフと名乗った。
おじいさんは、ギブアンドテイクというものを大事にしていて、私はこの人に救ってもらったから、代わりにこの人の実験のお手伝いをしていた。
そんなある日、洞窟の中で血塗れで転がっている小さな男の子を見つけた。
何故か助けなきゃ、と思ってその子をヴォルフさんの家に運んだ。
その男の子が、ローだった。
こうして私とローは出会ったのだった。
「まず、ここまでが私の過去ね。」
ロー「あぁ。」
「次はボロボロの実の話。」
そうして、私は今度はボロボロの実の話を始めた。
ある日、海岸を散歩していると、変な果実が波に乗って流れてきた。
基本拾い食いなんてバカなマネはしない私だったけれど、そのとき、その謎の果実を食べてみたくなった。
恐る恐る1口齧ってみると、とてつもなく不味かった。
拾い食いなんて二度としない、とそのとき強く思った。
そうして家に帰り、母さんに飲み物を飲みたい、と伝えた。
母さんは食器棚からコップを取り出し、それを私に渡してくれた。
ありがとう、と言ってそのコップを受け取ろうと触れた瞬間、コップの触れた部分から石のようになり、ボロボロと崩れていったのだ。
驚きで私も母さんもコップから手を離した。
コップは地面に落ちて音を立てて割れた。
マリ「A...?今のは...?」
「わ、わかんない、私なんにもしてないの、なんで...」
そう言って自分の手に触れようとすると、ダメ!と強く叫ばれた。
マリ「A!変な物は食べなかった?おかしな果実とか...」
「あ、た、食べた...」
そう言って海を流れてきた果実の話をした。
マリ「A、それは悪魔の実と言ってね。おかしな能力を身につけられるの。食べたら一生泳げなくなるわ。その中でもAはとてつもなく危険な身を食べた。あなたは数分で世界を滅ぼせる力を手に入れたの。」
「世界...?」
マリ「いい?A。その能力を制御しなさい。制御して、絶対に人前で使ってはダメ。その能力を持っていることも、誰にも話してはいけない。少なくとも、あなたを守ってくれる人が傍に現れるまでは。」
母さんは私の肩を掴んでそう言った。
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作者名:COCOA | 作成日時:2021年8月31日 16時