『VILLAIN』心のメロディーが跳ねる時4【短編集】（ＪＵＭＰｘＪＵＭＰ）

＝火を灯す・３＝ ページ22

「＿＿＿＿俺、嬉しいよ。」


ニッコリ笑って、皆を見渡す。



「ホントに、ありがとう」


そう言いながら、思う俺。




＿＿＿ちゃうんか〜〜い！ってさ。

伊野尾君は忍ばせプレゼント係じゃないと、、



じゃあ、あの感じ。

あの感じは、そうなのか。

伊野尾君なのかな。。



皆と話しながら、チラッと見る。

伊野尾君を見る。皆と見比べる。




・・皆は自然体。

伊野尾君以外は皆、自然体だ。




伊野尾君だけがその中で浮いている。

ソワソワ、もじもじ。



髪で隠れてる耳たぶは、赤い。

俯いて見えにくいけど、

白い首も、赤くなっている。



何よりも態度がいっちばん怪しい。

ソワソワを通り越して、挙動不審だ。



しかし＿＿これはどっちなんだろう。



気付いて欲しいのか＿＿。

気付かない方がいいのか＿＿。



どっちだ＿＿。



これはマジで、ムズいな。




う〜〜〜〜〜〜ん。。

出方次第では、失敗する恐れありだな。

よし、ここは一旦、冷静になって

様子を見よう。うん、そうだ、それいい。





「＿＿ホントうれしいな。
　皆、ありがとう。」




薮君から渡されたプレゼントを開け

ニコニコしながら皆と話し

心の中で、そんな事を思う。




もう一度伊野尾君の様子を窺うため

チラッと見ると・・

何だか少しホッとして

何だか少し悲しそうだ。




＿＿＿どっちなのだろう。




う〜〜ん、でもやっぱり、そうだよな。



なぁ、伊野尾君。

やっぱり君が、したんだよね。

俺にキス＿＿したんだよね？





＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


＿＿＿＿＿

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