『VILLAIN』心のメロディーが跳ねる時4【短編集】（ＪＵＭＰｘＪＵＭＰ）

＝火を灯す・２＝ ページ21

知「おめでと〜雄也」

伊「おめでと高木」

光「おめでとぉー」

薮「３３だな〜」

裕「おめでと高木くん！」

山「おめでと〜〜雄也」

有「ほら、ふーって！
　 願い事して、ふー！！」



皆が笑顔で言ってくれる

『おめでとう』を聞きながら

俺は心の中で願い事を唱え

フーッとロウソクの火を消した。




いっぺんに消えたロウソクで

会議室は真っ暗になった。




パチパチと拍手の音と

ピューピューの指笛が

会議室に響く。




右隣の有岡君がご自慢のデカい声で

「知念、電気つけて〜〜」

「は〜〜〜い」



真っ暗な中でもパタパタと

知念の足音が遠ざかり

俺の左側がふわっと空間が生まれた・・

っと、思ったら＿＿＿。



温かな空気が近付いて

耳元に甘い息と、

聞き取れないほどの小さな声が

通り過ぎた。


「生まれてきてくれて＿＿
　ありがと」



＿＿＿ちゅっ。




「・・・・」



ちゅ？ちゅ？ちゅ＿＿！？




「＿＿＿＿っっ！！」



俺の口に柔らかな何かが触れた。


驚いて『誰！？』って言う間もなく

パッと明かりが点いた。



「え＿＿・・？？」




左隣には、戻って来た知念。

右隣は、ケーキを切る為

場を仕切ってる有岡君。



動いてる皆をニコニコ見てる薮君と、

ケーキのイチゴをひょいっと

一個取ってパクッと食べた山田。



それを見て、軽いチョップして

怒る光君。



それを見て、『まぁまぁ』って

山田に甘い裕翔。



お皿を並べ始めた知念と有岡君に

山田が手を上げ、

『オレ、切る！』って言ってる。



皆わちゃわちゃして

ホント楽しいグループだなぁ〜。




って！！、違う違う。

おいおい、誰よ。

俺の口に、ちゅーした人！？



って＿＿＿＿。




いやいや、おいおい。

バレのバレバレじゃね？！

いのーさん、俯いちゃってますやん。

誤魔化すの下手か？下手なのか？

それとも、わざと？わざとですか？




ああ、それとも忍ばせたプレゼントを

渡す係なんですか？

それで、ソワソワのバレバレ？？




っと、思ったら、、。

ニコニコ笑顔の薮君から

皆からって、プレゼント渡された。


「ありがとう、皆っ
　俺、嬉しいよ。」

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