『Fab!』心のメロディーが跳ねる時３【短編集】（ＪＵＭＰｘＪＵＭＰ）

＝繋いだ・３＝ ページ28

「なぁ、知念＿＿ナイモノネダリをさ・・」


「もう止めたの。僕は、やめた・・
　ナイモノネダリを止めたんだもん。
　もう長い夢をみるのは飽きた。
　くたびれたんだ、僕。」


俺はオレンジ色の朝焼けを浴び、微笑む

「知念、ありがとう＿＿。」

「ありがと..う？」


「ああ、そうだよ。ありがとう知念。
　知念が居てくれたから、
　知念がナイモノネダリをして
　待っていてくれたから・・
　俺も待つことができた。」

「まつ・・？」

「そう。俺の気持ちが明るい方へ。
　前を向いて歩いていけるように。」


自分の胸元を人差し指で差し、言った。


「もうここ(心)には、
　ずっと届かなかった光が
　知念のおかげで、この街や海を照らすように
　綺麗に輝いているよ。」



「だぃ..き？」


「今まで、待たせてごめん。
　知念、俺は＿＿＿」


「＿＿＿？」


「俺は、知念が好きだ。」


「うそ。大貴はウソ言ってる。」


「嘘じゃない、本当に＿＿」

「ほんとぅ？」


「ああ。本当に君が好きだ。」


「だいき。。」


「聞こえるよ、あのメロディ(心音)。
　君の心が奏でる。俺の事を好きな音。
　涙で震えて雨に流されても
　君のメロディは、また新しく
　高らかに鳴り響く。」


「ぼくの..めろでぃ。」


「なぁ知念、約束だ。
　これから先、未来永劫。」


「みらぃえぃごぅ。」


「ああ。未来永劫、知念を悲しませない
　今までの分を取り返して、笑顔で・・
　笑顔で居てもらえるようにする。
　だから＿＿」


「だから？」


「だから、ずっとずっと。」


「ずっと・・」


「俺の隣でそのメロディ(心音)を
　聞かせてほしいんだ。
　ずっと、これからもずっと。
　俺達は、繋がっていたいんだ。」


ずっとずっと繋がれていた手を

何時間ぶりに、そっと離した。

「大貴、手・・」

「ふふふ。」

不安気な瞳を見つめてから、引き寄せ

強く、強く抱き締めた。


「＿＿ひゃ。。」


「侑李、侑李、侑李＿＿＿。
　強く繋がって、距離がないと
　もっともっと聞こえるよ
　君のメロディが。心と心が繋がって
　高らかに鳴り響く、俺の心に
　響き渡っていく。」



ハローメロディ(君の心音)



ありがとう、ありがとう、侑李が好きだ。



ハローメロディ(俺の心音)


ハローメロディ(俺の心音)


ハローメロディ(俺の心音)


ハローメロディ(俺の心音)



音楽(君)を待っていたんだよ＿＿。


＝終り＝

ありがとうですー。→←＝繋いだ・２＝

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