【実.況.者】Link of Seasons Ⅱ【マリカ実.況.者】 (ページ9)

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day53:緑月ページ9

時は過ぎて早くも放課後。いつもならズズと帰るところだが今日は断っておいた。

朝別れる際にまた放課後、と言ってしまっていたため今さら断るのは少々気が引けたがまぁズズはあまり気にしてない様子で了承してくれた。良い奴だなあ、ほんと。

『…もう来るかな…』

｢何が？｣

『いや、ゆがみぃ先ぱ…ぇあ！？』

カス｢ははっ、えあって…！｣

唐突に話し掛けてきた彼、もといカスターくん。いつの間に来たんだろう、いや彼も探していた内の一人だから何も問題ないんだけども。

…未だに笑っているのだがそんなに変だったのか。……気をつけよう。

カス｢…で、どうしたの？いきなり相談事があるだなんて｣

『あー…先輩来てからでもいいかな』

カス｢いいよー｣

『ありがと～！てかよく私の場所わかったね』

カス｢Aちゃんだからね、どこにいても見つけてあげる｣

『…えっ、…と…』

カス｢冗談、階段のそばでそんな風に考え込んでるから結構目立ってんだよ｣

『びっくりしたぁ…！！』

なんかカスターくん、やっぱりゆがみぃ先輩に似てる。ほんわかしてるところもそうだけど茶目っ気があるのも似てるような。

とりあえずこのまま待っていよう。多分ここ通る筈だもんね、ゆがみぃ先輩。

カス｢……もうちょっとで来るって、ゆがみぃさん｣

『あ、ほんと？』

ゆが｢ほんと｣

『………驚きませんでしたよ先輩！！』

ゆが｢今回は髪の毛無事だったね、Aちゃん｣

そう茶化してきたゆがみぃ先輩に少し抗議した後、私達は並んで家路に着いた。

ゆが｢つまり、Aちゃんはズズくんと近付いてドキドキしたと｣

カス｢誰でも異性と急接近したら恥ずかしくなりませんかね？｣

『そういうものかなあ…』

トラックにあたりかけたことから諸々を大まかに説明した結果、返答はこれであった。

やっぱりそういうことなのかな、恋愛相談なんて言ったけど。

カス｢……まあ他人の気持ちは読めないからそれが恋心なのか違うのかはわからないけどね｣

ゆが｢Aちゃんは、ズズくん好き？｣

『そりゃあ付き合い長いですし好きですけど…恋愛かと訊かれると…』

ゆが｢んー……｣

『…でも、ありがとうございます！多少スッキリしましたし！』

カス｢…役に立てなくてごめんね｣

申し訳なさそうに言う二人にこちらが申し訳なくなってくる。大丈夫だと示すように笑顔でまた明日と言えば、彼らも笑って返してくれた。

……まろにも相談、しようかな。