Cinderella (ページ10)

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☆10 ページ10

シンデレラside

あの舞踏会の日から、特に何も変わらない。

相変わらずこき使われるし、ご飯もほとんどもらえない。

変わったのは、それなのにお腹がすかない事くらい。

残したご飯を、タチョが食べに来てくれないか窓辺に置いても。

自分を心配してショータが来てくれないか待っていても

2人が来ることはない。

ぼーっと月明かりを見ながら、今日の事を思い返した。

この国は小さくて、特に女性の働き口は口利きで決まることが多い。

買い物ついでに働かせてもらえる所はないか聞いてまわっていたら、案の定すぐに義母の耳に入って。

「あんたはずっとこの家の掃除をするのよ！！」と叩かれた。

何でなんやろうか…。

嫌いやったら追い出してくれたらええのに…。

痛む頬を摩りながら立つと、外に馬車が止まる音がした。

「きゃー！リョウ王子！？どうして我が家に！？」

「舞踏会でこの娘を気に入ってくれたのですか！？」

黄「うっさいっ！どけっ！！」

Aー！Aー！！と呼ぶ声に、屋根裏から降りて行けば、満面の笑みのリョウ王子がおった。

シ「…どしたん？」

黄「迎えにきたでっ♪」

迎え？？

赤「リョウがお前を世話係に欲しいんやと。ここにサインいるんやけど、オトンはどこや？」

シ「あっこ…。世話係って、すばるさんがおるやん？」

赤「おれはヒナのや。リョウん世話係がこの前急に辞めてな。次の探しとったんや」

「ほい、これにサインして」と言われると、オトンはスラスラサインした。

「あのっ…、それこの娘じゃ駄目でしょうか？あんな子よりこの娘の方が役に立つと思います！」

「私っ、頑張りますっ」

ギャーギャー言い出した2人を眺めていると、「荷物まとめといで？」とリョウ王子に言われた。

赤「すみませんねぇ、性格の悪い人には務まらんのですわ」