Cinderella (ページ9)

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黒side

初めての俺side…♪

やなくて、あの舞踏会の日から、ネズミ達の元気がない。

ショータはスケッチブックに大量のドレスを書き続けとるし、タチョは夜になると暖かい毛布を巻きつけて、抱っこされとる感じを再現しとる。

そして、奴らだけやない。

リョウも色々根回ししとるみたいや。

あの町娘で、こんなに状況が変わるなんて思わんかったなぁ。

肝心のヒナは相変わらずそこまで関心はなかったみたいやけど…。

青「…なぁ、うちら、いつまでこのままなんかな…？」

窓辺に座って、月を眺める2人。

緑「そんなん、ずっとやろ。ネズミに好意を持ってキスしてくれる奴なんておれへんて」

そうやねん。こいつらは元は人間。

自分が好きになった人に好きになってもらって、キスしてもらえば、魔法が解けて人間に戻れる。

でも、それを相手は知らないままで。

つまりは、ネズミのあいつらを好きになってくれないかんねん。

五年前、魔法をかけられた当初は2人とも頑張っとったけど、もう今はほとんど諦めとる。

そんなあいつらが、久しぶりに楽しそうやったんやけどな…。

それに加え、リョウ相手じゃ厳しいやろうなぁ。

青「Aちゃん、泣いてないかなぁ？」

緑「働く所見つかって、家出れればええのになぁ」

黒「それなら、もうじき出れると思うで」

青「ヨコチョ、本当！？」

緑「良かったなぁ！！」

喜んどるこいつらにこんな事を言う俺は、ひどい奴やろうか…。

黒「リョウが引き抜くって言っとった。ゆくゆくは嫁にするつもりみたいやわ」