Cinderella (ページ33)

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☆33 ページ33

黄side

橙「お隣ええですか？A、世話係りとしてちゃんと働いとります？王子にご迷惑かけてないですか？」

酒もまわり、あと30分で日付が変わろうかという頃。

さっきまで兄貴と話し込んどったアイツの声に、顔を上げる。

黄「……保護者みたいな事言うなや」

橙「すんません、小さい頃から知っとるからつい。親父さんが再婚してから辛い事ばっかやったから、あんな笑顔見れたの久しぶりですわ。リョウ王子のおかげです。ありがとう」

黄「知っとったなら助けたれば良かったやんけ」

橙「近所のガキが何出来るって言うんです？それでも色々したんですけど、その度に誘拐や何やと言われて。今は顔見ただけで門前払いですわ。”親子”言うだけで、こっちはいつも一方的に悪者です」

黄「そうやったん…」

権力。

時々うんざりするその力を、欲しいと切望しとったであろう男が、ここにおった。

橙「せめて会った時にはとっておきのギャグで笑顔に出来るようにって、ギャグ探しの旅に出て。それが面白くて、放浪する人生になっちゃいましたけど」

優しい目で見つめる先には、ショータとタチョと笑い合うA。

黄「俺、Aと結婚するから」

ごめんな。お前の気持ち、わからんけど。

Aだけは、誰にも渡せんのや。

日に日に大きくなっていく自分の気持ちに、俺自身が怖いくらいやねん。