sympathy 2 (ページ25)

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番外編 RED③ ページ25

赤side

帰り道、電車に乗らず、美都のアパートまで歩いて送った。

これが最後になるかもしれん。

そう思うと、少しでも長くおりたかったから。

どうしてこんなにとらわれるんやろう…。

最初は身体だけの関係やったはずなのに。

赤「なぁ。はっきりさせようや」

美「…何を…？」

赤「俺らん事。……付き合わへん？」

秋口になって冷たくなってきた風が、2人の間を通り抜けて行った。

赤「なぁ、美都。はっきり聞かせ…」

美「…簡単に言わないで！」

暗い夜道に、美都の声が響く。

美「東京行くんでしょ？付き合ってどうするの？」

赤「どうするの？って何や。離れとったって大丈夫かもしれんやろ」

距離よりも、お前と俺を繋ぐ何かが欲しいんや。

…いかんの？

美「…簡単に…、言わないでよ…」

赤「…何でや？お前が欲しい、それじゃ、いかんの？」

俯いた美都の顔が、髪に隠れて見えんくて…。

赤「お前は、…そうじゃないの…？」

頬を両手で挟みながら「なぁ、不安な事があったら言って？」と言えば、零れた涙が指の上を伝っていった。

美「距離も、年齢も…、これから売れてくすばるの事も…」

美「いつか…もっと素敵な人に出会うだろう…って事も…」

前だったら、面倒くさいだけの「好き」の言葉が、今は心を温かくしてく…。

赤「…なぁ、まだ見えん先の事より、今、俺が美都とおりたい気持ち、…わかってくれん…？」

抱きしめて、その耳に囁けば、やっと素直に頷いてくれた。

美「……すばる……」

赤「…言って？……聞きたい…」

美「………き…。……離さ…ないで…」

震えている唇にキスを落とせば、しょっぱい涙の味がした。

何度も抱き合って、キスだって数えきれない程しとったのに、心が震えるような、こんなキスは初めてやった。