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#27 ページ3

緑side


「大倉くん、彼女と別れたんだって?」

「大倉くん、これから遊びにいかない?」


5ヶ月間、何度となく言われた台詞。もう聞き飽きたねん。

誘われたいのは1人だけなのに、その子は気にもかけてくれへん。


今は、学年一可愛いと言われてる子が俺の前で何か喋っとる。

でも君、Aちゃんの教科書ゴミ箱に捨てた子やんなぁ?現場を見とった訳やなかったから何も言えんかったけど、ニヤニヤしとったからわかったで。


「ねぇ、たつ、遊びに行こうってば〜」


緑「行かへんって言っとるやろ」


「まだあの子に未練あるん?あんな子のどこがええの?」


あんな子ってなんやねん。


緑「どこがええんかなぁ、俺にもわからんねん。恭子ちゃんのが可愛いし、スタイルもええのになぁ」


そんなことないよぉ、って思ってもないやろ。大体、女の子が机に座る時点で俺の中では対象外やねん。


緑「わからん?それでも恭子ちゃんを好きにならんのは、心やないのん?Aのが何百倍も心がきれいやねん」


「…っ!顔がいいからって調子乗んなよ!!」


ぶっかけられたのは、恭子ちゃんが飲んでたピーチティー。

男言葉もすかんわぁ。俺は古風な子が好きなんかな?まぁ、Aちゃんも古風とはちょっと違うけど。


黄「大丈夫か!?なんやねん!あいつ!!」


緑「紅茶もしたたるええ男やろぉ?」


適当に頭拭いて、そのままタオルで濡れた床も拭く。

一連のやりとりで注目の的。教室中の視線を感じるわ。

午後には「大倉が女に紅茶かけられた」って噂になるんやろうな。本当面倒くさい。


緑「午後パス。部室におるわ」


亮ちゃんに告げて、教室を後にする。


ドラム叩いて発散したいけど、見つかったら大事や。日向ぼっこしながら寝よ。

濡れた上着をほって、ゴロンと横になる。

寒いなぁ…、毛布でもあるとええのに。


窓から入る光に誘われ、いつの間にか眠りに落ちていった。

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作者名:hio | 作成日時:2014年2月4日 1時

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