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七緒side
鳴った電話を見れば、ばるからの着信だった。
赤「今どこ？」
章ちゃんに断って出れば、いつもの淡々とした声。
七「駅に向かう途中の、セブンの辺」
赤「ヤスは？一緒におるん？」
七「おん。これから電車乗って帰るよ」
赤「駅で待っとって」
相変わらずやなぁ…。唐突に切れた電話を見ながら呟く。
青「誰？渋やん？」
七「おん、駅で待っとってって」
じゃあブラブラしてよっかぁ♪という章ちゃんと一緒にお店を覗いたりしていると、向こうからばるがやって来るのが見えた。
七「…何か恐い顔してない？」
青「おん。僕怒られるんかなぁ…」
そんな事を話していると、隣に来て手を握られた。
七「……何…？どしたん？」
手を繋ぐなんて、大きくなってからはなかったのに。
赤「帰るぞ。ヤス、悪いな」
状況が飲み込めないまま、手を引っ張られて改札をくぐる。
それから何を聞いても、「おん」とか「あぁ」とかしか返ってこなくて、途中からは二人黙って電車に揺られていた。
こんな大きな手やったんやなぁ。
細いけどゴツゴツして、男の人の手って感じ…。
赤「家行こうや」
何か話があるのかとばるの部屋に入れば、おずおずと抱きしめられた。
七「……どうしたん…？」
赤「……抱いて、いいか？」
七「…そうしたいん？」
赤「…わからん」
七「何それ(笑)」
赤「…笑うなや」
ゆっくり顔が近づいてきて、優しいキスをされる。
そのまま見慣れたベッドに押し倒されて、髪を撫でられながら何度もキスをされた。
目を開けると、何とも言えない顔をしたばるがおった。
この目に弱いんだよなぁ。
深い夜の海みたいな、真っ黒な目。
したいと言う事は叶えたくて、
悲しんでいる時は何とかしたくて。
お互いがそう思ってるのを知っているから、高校生になっても変わらず近くにいれた。
七「いいよ」
ばるがしたいなら、いいよ。
赤「…アホ。抵抗しろや」
力なく笑ったばるが、隣にゴロンと横になった。
赤「いかんなぁ。お前いい女になったんやけどなぁ」
七「色気が足りん？」
赤「違うわ。」
横を向くと、天井を見つめるきれいな顔があった。
痛みの少ない、緩くパーマのかかった黒髪を触る。
赤「今の繋がりに恋愛感情も入れたら、すごい特別なもんになるんやないかって思ったんやけど、あかんかったわ」
七「うちらは…、これでいいんやない？」
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作者名：hio | 作成日時：2014年2月4日 1時
