安堵 ページ6
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と「あんたら通報すんぞ」
物凄い形相でそう言葉を発すると
男らは車を走らせて逃げていった。
久しぶりに酸素が入ってきた。
足の力が抜け、地面に座り込む。
そんな私を見て
としみつは持っていた帽子をかぶせて、
コートを直してくれた。
きっと、私は泣いていたんだろう。
と「とりあえず、帰ろ」
そうして、としみつの車に乗った。
何が起きたの?
何をされた?
としみつが来なかったら、私どうなってた?
そんな問いを繰り返しても
涙と震えが強まるだけだった。
車が止まると、
としみつは私の腕を引いて
階段を上がった。
何も言わなかった。
けど、あったかさに触れて、
余計に涙が出た。
鍵を開けて、中に入る。
「靴脱いで、上がって」
言われるがままに電気の灯る方へ力ない足で進んだ。
立っていられるのが
不思議なほどだった。
ソファに座らされる。
それと同時に、また溢れる涙。
私は、情けない。
と「......大丈夫、
もう大丈夫だから」
優しい声だった。
としみつは私の頭を撫でた。
そして、としみつの香りに包まれる。
....ホッとするなあ、
私、生きてるんだ。
『とし、みつ...っ』
と「ここにいるから、
思う存分泣け」
泣き終わるまでのかなりの間、
としみつは私の背中をあやすようにずっとさすってくれた。
それに私がどれだけ助けられたか
あなたは知らないでしょう。
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作者名:つんつん | 作成日時:2017年12月12日 9時