発熱 ページ19
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「ごめんね、今日に限って」
「気にしないでいいから、ちゃんと休め」
「うん、ありがと。
じゃあ、またね。」
「うん、また。」
電話を切って、横になる。
38.5℃。
体温計の文字を恨めしく思う。
今日本当はデートに行くつもりだった。
久しぶりだったし、結構楽しみにしてたんだけど。
さっき電話を掛けた時、
としみつは全然寂しそうじゃなかった。
気にしてないって言ってくれたのは優しさかもしれないけど
楽しみにしてたの私だけなんだって
ちょっと悲しくなった。
すると、家にベルの音が響いた。
宅配便かな、タイミング悪い。
もしかしたらピンポンダッシュかも。
なんだ!こっちは風邪引いてんだ!
心で毒づきながらドアを開けた。
「お前、今絶対確認しんかっただろ。」
「えっ…なんでとしみつ」
「この間もそうやって開けてたし。
気を付けろって」
「うん、ごめんね。
でも、今日デート行けなくなっちゃったし…」
「アホか。
彼女熱出してんのにほっとく奴とか男じゃないだろ。
デートも、割と楽しみにしてたし」
そっか。
としみつは感情が分かりづらい人だった。
なんか、嬉しいな。
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ゆん - 何度も読み返しています! めっちゃ最高です!!!!! (2018年6月17日 9時) (レス) id: c8143ac316 (このIDを非表示/違反報告)
栞 - うわあああ、たまらなく好き。。この作品最高。。何度も読み返してます! (2017年12月13日 18時) (レス) id: 6fc5970084 (このIDを非表示/違反報告)
ちーすけ(プロフ) - すごいこのお話好きです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年11月30日 21時) (レス) id: 4adda75a8c (このIDを非表示/違反報告)
つんつん(プロフ) - ありがとうございますー!!頑張ります!! (2017年9月6日 20時) (レス) id: f361be462a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - すごい面白いです!これからも頑張ってください! (2017年9月5日 13時) (レス) id: 19a12c05ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つんつん | 作成日時:2017年9月3日 7時