第73話:氷琥 ページ25
しゃけみー 視点
本当は人を殺したくなかった。
でも、しるちゃんが苦しんでるのを見て嫌な気持ちになってそれと同時に殺意が湧いたんだ
親が人を殺す職業っていうのは、中学生の時に知った
電話でまるぐりちゃんの両親について話してたから、多分こいつらがやったんだって思った
まるぐりちゃんはいい子だ、おれよりもずっと優しくて、あの時のしるちゃんのようだった
なのに...なんで...なんでまるぐりちゃんの親を...
しゃけ「...もう、いっその事...」
死のうとしたら止められる、罪を犯して泣きそうで苦しくて、なんで止めるのかわかんない、だって人はいつか死ぬってしるちゃんが言ってたんだから、今死んでもいいじゃん、やめてよ...これ以上、おれを生かさないで...
しるちゃんの性格を壊して、人の両親の命奪っておれは普通には生きれないんだよ？
それに、怯えてた目を向けられて「あーやっぱりそうか」って思ったよ、罪を犯した人が学校にいて、おかしいもんね？怯えるもんね？じゃあなんで生かしたのっていう話だよ
はぁ...人気のない場所...調べていくか...
しるばーな 視点
親のことは、見られなくても、話しかけてくれなくても大好きだった
僕をみて褒めてくれて、一緒に喜んでくれて、怒ってくれて、悲しい時には励ましてくれたそんな親が大好きで、親が帰ってこない日には心配して、無視されても「おかえりなさい」って言って、そんな日常が好きだった
しゃけみーが来て全部壊れても親のことは好きで、心配して欲しさに家出したけど失敗して、親が久しぶりに僕の名前を呼んで地下室に閉じ込めて...母親が持ってきてくれた日持ちのするパンを一日三食に分けてして...母親がすぐ腐られないように持ってきてくれてるって思えばなんでもよかった、久しぶりに名前を呼んでくれたのも嬉しかった
なのに...なんで...いつから親が消えてたの...
思えば、中学のある日から親と会わなくなった気がする...凜空のために知識を入れてて部屋から出れない時が多かったからわからなかったのかもしれないけど、あの時から親の帰りが遅くなったと思う
親は僕のために帰るのを早くしてたから遅くなったのは...でも、お母さんが帰り遅いのはおかしい...
しゃけみーはあの時に殺したのかな...
まる「琉唯？」
しる「凜空、僕さ、親に嫌われてても親が大好きだったのにさ、もう...どうすればいいの...」
まる「...おちつこ？しるが落ち着いたら荷物とりにいこ？」
しる「うん...」
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