正体不明 (ページ21)

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19話ページ21

A視点

組頭の部屋へ行くとすでに皆さんが揃っておられた。

雑「うん、みんな揃ったね。早速だけど作戦会議を始める。」
押「オーマガトキのですか？」
雑「いや、今回はもうひとつの怪しい動きをしている組織の方」
全小頭「「…………。」」
空気がピりつく。恐らく皆、オーマガトキよりも重くとらえているだろう。

雑「Aの調べ曰く、そいつらはタソガレドキを……いや、ほとんどAを狙っている。」
月輪隊小頭「……どういうことですか？」
雑「一言で言えば、A、君が強くなりすぎた。」
山「組織はAの生まれた里の忍びなのですね。」
雑「あぁ、そうだ。話が早くて助かる。」
押「なぜ、Aが強すぎるといけないのですか？」
雑「単純に奴らの里での記憶があるAは、能力的にも奴らの脅威だからだ。」
押「成る程、我々を率いて攻め入られては困るといったところですか」
隼隊小頭「ですが、奴ら我々がAにホントに率いられると思って入るのでしょうか」
雑「厳密に言えば、タソガレドキ忍者を滅して欲しいという依頼が入る。入ったものの忍軍には、Aがいる。我々を滅するのにAがいては厄介だと言うことだ。何がどう厄介なのかは、A本人にしかわからない。」

組頭や小頭たちの視線が私に集まる。中には酷く冷たい視線もある。

A『…………組頭、その組織の始末……私に任せてくれませんか？』
月輪隊小頭「…待て、何がどう厄介なのかは答えないのか？」
A『答える必要ありますか？』
隼隊小頭「……あるっちゃある。」
月輪隊小頭「あぁ、お前は我々からの信用は“無い”からな。」
山「何もそこまで言う必要無いじゃないか」
A『山本小頭、良いのです。話さない私が悪いので』
雑「教えるつもりはない感じ？」
A『………………はい。』
月輪隊小頭「貴様！なn雑「待て。」……。」

組頭は私の目を見て諭すような柔らかい口調で言った。

雑「一人で戦うつもりなの？」
A『はい』
雑「君が死んじゃうかも知れないよ？」
A『覚悟の上です』
雑「……私が止めても？」
A『何が何でも、やらせていただきます。』
雑「…………わかった。君にすべて任せるよ。」
A『ありがとうございます。』
雑「ただ、ひとつだけ約束して欲しい。」
A『はい、何なりとお申し付けを』
雑「もし、君が生きて帰ってきたらすべて教えて欲しい。」
A『……御意。』