【水溜りボンド】stay with me

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「Aちゃん、」






目なんて合わせれないでしょ、


こんな汚い顔。







「泣いてる…？」



　
富永君が覗き込んでくる。


お前のせいだ、


なのに、こんな時に話しかけて来やがって。





「大丈夫だから、いいの」







もう諦めるって、決めたんだよ。


そうやっていつも、


揺るがせないでよ。








「大丈夫じゃないじゃん、


そんな顔見て、ほっとけない」




「そんなの、」




「ごめん、袖汚い」









そう言って、ぶっきらぼうに



富永君の袖を顔に押し付けられる。


それで、そのまま手を引かれて、


人が少ない所に連れて行かれる。








「何があったか別に言わなくてもいい、


けど、いつも元気なのに


そういうの見るとほっとけねーの。


大丈夫ならちゃんと笑ってよ」





「ずるい、」



「え？」



「富永君は、いつもずるいよ、


なんで優しくするの」



「…ごめん、」









そのまま、また優しく


頭を撫でられる。




なんでそんなことできるの、



彼女さん、いるんでしょ？



そんなことしたら、引き返せなくなるじゃん。









ねえ、富永君、




あなたに惚れたままでいいですか。



目的を略奪に密かに変更して



もっとゲスい女になっても



あなたを好きでいいですか。

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