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その次の日に私は寛太を屋上に呼び出した。
本当の私の気持ちを伝えるために。
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「おめでと、」
私を見るなり、
寛太は独り言のようにそう呟いた。
「何が、」
「トミーと、上手くいったんでしょ。
これで晴れてカップルだね」
「え、あの」
寛太は私の反論を聞かずに話し続けた。
「分かってるから、大丈夫。
前からトミーがAのこと好きなの知ってたし。
その時からちゃんと心の準備してたから、
もう終わったなって分かってるよ。
これでけじめも付いて、新しい好きな人でも探すからさ。
トミーとお幸せに」
言い終わると私に背を向けて出口に向かって歩き出した。
待って、違う。
そう訂正したいのに、
ショックで言葉が出ない。
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もう、手遅れなのかな。
嫌だよ。
「わ、私の話も聞いてよ!!!」
自分でもびっくりする程大きい声が出た。
「えっ?ちょっ、なんでA泣いてんの!?」
私泣いてるのかな。
もういいや、なんでもいい。
「富永君のは断っちゃったの。
それも、
寛太のせいだよ…」
「なんでっ?」
寛太が心配そうに私の頭に触れる。
「すごい、ズルいんだけど、
汚いんだけど、
寛太が好きみたいで、
なんか、
寛太のこと考えると苦しくて、」
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不意に、体が包まれた。
すぐに寛太に抱きしめられてるんだって気付いた。
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つんつん(プロフ) - ええ!すっごい嬉しいです!励みになります!とてもありがとうございます!!! (2017年8月15日 23時) (レス) id: f361be462a (このIDを非表示/違反報告)
まっちゅ(プロフ) - まだ少ししか読んでないのにもうキュンキュンしてます笑 これからどうなるのか楽しみです!頑張ってください!! (2017年8月6日 19時) (レス) id: 7b7a95e2f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つんつん | 作成日時:2017年8月6日 17時