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...
10分が経過した
ずっと続いた沈黙に、そろそろ息の方がもたなくなってくる
こういう時は、やっぱり俺が話さないといけないんだよね?
そう思い、勇気を振り絞って声をかけた
「だ、大ちゃん。ケーキ、買って来たけど...」
「いらない」
「あ、えっと」
会話、終わりました
肩を落として、頭をぐしゃぐしゃとかけばベッドの元へ近づいた
そっと伸ばした手は、大ちゃんの頭に向かう
「嫌だ、触ってほしくない」
「大ちゃん、泣いたでしょ?」
「泣いてないもん」
ほら。男の子
強がっちゃう。だから、面倒なんだよ
それでも、そんな姿が可愛い
大ちゃんの横に座り、小さな顔をこちらに向ければ頰を撫でた
腫れた目と、泣いた跡のある頰
俺が、こんな風にしちゃったんだ
「ない...て、ないもん、」
「そっか、泣いてないか」
だんだんと俺を見た、そのクリクリの目が細くなり潤んでいく
可愛らしかった顔が、だんだんと歪み、何かを耐えているようだった
「けいちゃ、は?な、いた?」
小さな手が俺の頰に伸ばされる
その手にもう一度、触れてもいいのかな?
その瞳にもう一度、映ってもいいかな?
「泣いたよ、すごく、すごく泣いた」
俺の言葉に、すごくショックそうな顔をした
「けいちゃ、ごめんね」
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tapico(プロフ) - ゆあさん» コメントありがとうございます!是非是非、書かせていただきたいと思います!亀更新な作者ですがよろしくお願いします! (2020年4月17日 12時) (レス) id: b7b5807be2 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 小学生の大ちゃんと大学生のいのちゃんのヤリトリが好きです!また書いてほしいです! (2020年4月1日 23時) (レス) id: 4ae9612484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tapico | 作者ホームページ:http://id15.fm-p.jp/629/white0210/index.php
作成日時:2020年3月29日 12時