44現目 ページ45
〜智side〜
「…おい、ニノ。」
「…へいへい。見てきますよ」
何やら、隣の音楽室が騒がしいと思いきや
耳に飛び込んで来たのは、俺ら両方
明らか聞き覚えのある声達で
何となく嫌な予感が働いた俺は筆を動かす手を
止めたくなくて胡座をかいて、ひたすら俺とは
ジャンルの違う手(指)の動かし方をしている
ニノに目で訴えた。
するとまぁ、勘のいいこいつは溜息を
吐きながらも、DSを閉じて机から軽々と飛び降りて
扉まで歩いて行った。
まさか、こんな所まで探しに来たわけ
じゃああるまいし。
真っ白なキャンパスに、鮮やかなブルーを
乗せながら頭の片隅でそんな事を考えていると
〜♪〜♬〜♩〜♫
突然…辺りを柔らかなピアノの音色が包んだ。
一定の速度で、美術室を包む
空気の色を塗り替えていく
キャラじゃねぇけど
水みてぇに澄みきるような音だった
穏やかで、柔和で…そして、どこか切ない
心ん中まで、入り込んできそうな…
そんな透き通る鍵盤の音に
身体の芯から
ゾクゾクとした何かが
這い上がって来る感覚が走る
なんだこれ…手が…勝手に動く…
初めて耳にした音色だというのに
脳内にインスピレーションの様なものが
走馬灯のように浮かんできて、自然と筆を
走らせる自分の手に力が籠るのが解った。
・
カタン
最後の仕上げが終わり
震える手を抑えながら
色がこびりついているパレットに筆を置く。
そっと開いた自分の右手には…
手汗がギッシリ。
知らぬ間に息も止める様に描いていた。
「はぁ…なんなんだ、いったい…」
出来上がった、作品に目線を寄越してみると
目の前に広がっていたのは
大きな桜の木。
幹は根っこから逞しく生えていても…
鮮やかな紅色の花びらや碧色の葉は
切なく…儚く形を変え、散っていく。
さっきまで、脳内に思い描いていたのとは違う
まるで、自分以外の手が描いた様で
異世界に包まれた様な雰囲気に
余韻に浸っていると…
ふと、ピアノの音色が止まっている事に
気がついた。
誰が…弾いてたんだ…？
少しずつ、解けていく謎の張り詰めていた
緊張と共に今度は、伴奏者に興味が
湧いてきて。
イーゼルを固定した後、俺は何時間ぶりかに
椅子から立ち上がり美術室の扉を
振り返った。すると
「お…おの…先輩…？」
そこには…目をまん丸くしてドア付近に
立ち尽くしている…櫻井の姿があった。
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星羅*(プロフ) - 翔空さん» 翔空さん、はじめまして！コメントありがとうございます！私自身もこの作品の翔くんのキャラ気に入ってるんです笑適度に更新続けていこうと思いますので、これからもどうか見守って頂けると嬉しいです(^^) (2018年2月13日 10時) (
レス) id: 2635a28bd5 (このIDを非表示/違反報告)
翔空 - はじめまして！このお話を読ませてもらって更新をいつも楽しみにしてます！翔くんがかわいすぎてやばいっす笑笑とっても続きが気になります！これからも頑張ってください！！ (2018年2月12日 13時) (レス) id: 06a53ed954 (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - あああああ！大野さん、翔ちゃんのこと心配なんですね！？もうこの二人が好きすぎて興奮が止まりません！！岡田くんのキャラも想像しやすくて本当に星羅さんのお話全て好きです！！（笑） (2018年1月9日 22時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - しょーちゃんさん» しょーちゃんさん、コメントありがとうございます！出来れば明日更新しようと思っております！！お山の2人の進展にご期待下さいね♪( ^ω^ )不定期更新で大変申し訳ないです(/ _ ; ) (2018年1月8日 22時) (レス) id: 984f6e7432 (このIDを非表示/違反報告)
しょーちゃん - はじめまして！すごくつづきが気になります！忙しいとは思いますが更新してもらえると嬉しいです！(≧∇≦) (2018年1月8日 22時) (レス) id: 9e1cdf89be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅
| 作成日時：2017年7月29日 22時
