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「少し夜のドライブ行かない?」

そう言われAさんの助手席に乗り込んでいる。

後部座席にはケーキとタルトのヘアピンがついた鞄が2つ。

お揃いという良さを始めて実感する。

顔には出さないがかなりクるものがある。



「時間どれくらい平気?」

「さっき遅くなるって連絡したんで2時間くらい…かな?」

「おっけー!」

そういうと少しスピードを上げて坂を登っていく。



10分くらい走りついたのは少し高めの丘の上。

「ここね、私のお気に入りなの!」

仙台の夜景が綺麗に見える。

「ちょっとお散歩しよ…?」

どちらともなく歩き始める。

すっと手が触れ合う。

Aさんがびくっとするものの引っ込めるわけでは無いので、そのまま手を繋いだ。

緊張で少しぎこちなくも繋いだ手。

柔らかく一回り小さな手は間違いなくAさんの手で

手から腕、首、と視線を巡らせていけば貴女が隣に居るという事実が現実であると認識できる。

「お昼はね…風が通るから気持ちいいんだよ」

「じゃぁ次はお昼くらいに連れてきてくださいね」

「ふふっ敬語だー」

「あ…」

「いいけどね」



街中とは違う爽やかな風が通る。

僕たちが会話しない限りは静かなままで

この世に2人しか存在してないんじゃないかという錯覚さえ覚えてしまう。


「Aさん」

「ん?」

「忙しいの分かってるんですけど…」

「うん?」

「遊びに…行きません?」

「マスターに相談してみるね、事前に言えば大丈夫だよ…面白がってマスターも一緒に遊ぶって言い出したりして!」


そう言われて一瞬想像して楽しそうだと思ってしまった、そんな自分に笑えてしまう。

Aさんも待ち合わせ場所にいたら面白いだろうねと言いながら笑っていた。


「でも…」

そう言って僕の顔を見た

「2人がいいね」


「…それは僕が言う事デショ。それ聞いて赤面してよね、可愛いんだから」

「ふふっそう言いながら蛍くん顔あかーい!」

「もうなんなの本当」

「かわいー!」

「……っ!!」

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作者名:葉月 | 作成日時:2020年2月19日 20時

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