Sweet sugar

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キッチンに行くとAさんが皿を洗おうとしていた。

すかさず隣に立ちふきんを持つ。

「僕…拭きます」

「今日シフト入ってないのに働かせてごめんね？ありがとう」

皿を受け取り拭いていく。

洗い終わったAさんも一緒に拭いてくれる。

隣にいるという事実だけで頭が茹だりそう。

とても美しくて可愛くて…

「蛍くん」

ふいに呼ばれ体に力が入る。

目線だけ彼女に向けると

「練習試合おつかれさま！そして！東京からおかえりなさい！」

あやうく皿を落とすところだった。

屈託の無い笑顔でねぎらいの言葉をかけてきた彼女を僕は一体どんな顔で見ていただろう。

「…蛍くん…？ごめんなさい、私なんか変なコト言った？」

「言ってないです…ケド…急だったから」

「そっかそっか、びっくりさせちゃった…ふふ、ごめんなさい」

あぁ変人コンビならここでバカ正直に「笑顔が可愛くてびっくりした」なんて言えるんだろうな。

ようやく拭き終わり、拭いた皿を置きふきんをかける。

今渡さなくては。強い使命感で頭がいっぱいになった。