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「月島ァ!いつまで皿洗ってんだよ!こっちの棚運ぶの手伝え!!!!」
「……はい」
「いま嫌そうな顔しただろ!見てなくても分かるからな!早くこいー!!!」
「監督さんにはなんでもお見通しなのね、ふふっいってらっしゃーい」
ヒラヒラと手を振る彼女の見送りを受け、仕方なく作業へと戻る。
時刻は13:50。
なんとか終了。
「無事にオープンできそうだよ、ありがとう、はいコレお駄賃」
「え…いいんですか?」
「当たり前だよ!本当におつかれさま」
もらった茶封筒。
想定より早く貰えた人生初のお給料。
何買おうかな?そんな事を考えながら財布にそのまましまう。
帰りも監督に家まで乗せてもらった。
監督との雑談は適当に相槌をうっていたが頭の中ではAさんと話した内容を反芻していた。
ちょっとびっくりしたり、
ショートケーキを作ると約束した時の嬉しそうな声、
スマホをこちらに向けながらの少し真剣な表情、
どの場面を思い出しても気持ちが昂る。
「ったく、聞いてねぇな。嬉しそうな顔しやがって、おら、着いたぞ」
「…はい」
「俺と話す時急にスンってなるなよ」
「誰と話す時もこうですよ、ありがとうございました」
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作者名:葉月 | 作成日時:2020年2月19日 20時