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「ほんとうめぇなここの飯は」

監督に完全同意。

パスタも美味しいの?

ほんとなに?天才なの?

…とは口に出せず頷きながら無言でパスタを食べ進める。


適当な雑談の中でバレー部の話になる。

「何かお手伝いできる事は無いでしょうか…?」

とAさん。

「例えば部活の打ち上げをこの店でやるのはどう?ちゃんと栄養あるもの作れるよ!」

マスターも続く。

「ほんとか?それはありがてぇ話だ!さっそくだけど月末にこいつら練習試合なんだ、その後の…18時からとかどうだ?」

「うん、大丈夫だよ、烏野高校男子バレー部の貸切にしよう!」

このお店を…貸し切り…僕が?

(僕だけではないけど)

やった…!

(と、やはり声には出さない)


「14時には開店したいから、これ食べたらもうひと頑張り頼むよ!」

「はい」

週末にまたAさんに会える予定ができたわけで。

勝った報告のが良いだろうし…練習試合…がんばろっと。


実はかなり単純なつくりになっている

自分の思考回路に半分呆れながらも

堪えきれない笑いを喉の奥で咬み殺す。



一通り食べ終え、作業を再開する。

テーブルを運んだ先にいたAさんが僕を呼び止める。

「あの…月末の試合…がんばってくださいね!私マスターと美味しいお食事作って待ってますから!」

ニコッと笑う彼女。

あぁ…満たされていく。疲れが飛んだ気がする。

「どーもありがとうございマス。あの…ケーキも作りますか?」

照れと可愛いすぎて語彙力を失ったせいで小声になる。

「ふふ…っ!もちろん!ショートケーキ!作ります!飛びっきりの!」

お手本のような輝く笑顔で話すAさん。

興奮気味のせいかいつもより声が大きい。

山口だったらうるさいと言っているだろう。

でも僕はもっと聞いていたいと思えてしまった。

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作者名:葉月 | 作成日時:2020年2月19日 20時

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