この世界でうまくやり過ごす方法【名探偵コナン】

ちょっとしたイタズラ ページ11

「それは困るね……安室さん」

「それは君も、じゃないのかな？」



まぁね。
口には出さず心の中でコナンは呟く。



「あ。次の角を曲がってすぐだよ」

「了解」



追跡眼鏡で発信機の反応がすぐ近くにあることを確認して、２人は角を曲がった。



「発信機はあったかい？」

「もうこの辺にあるはずなんだけど……あ」



道端に落ちてるものだと思って下を探してたコナンが、安室さんの声に顔を上げた同時に見つけたのだ。



「あったよ……こんなところに」

「………」



コナンの指した先を見た安室さんは、一瞬ぽかんとした後頭を抱えた。

掲示板の選挙ポスターの政治家の黒目の片方に、ぴったりはまるように発信機が貼り付けられていたのだった。

ハハ……何してんだ、あの人は。
小学生かよ。



「まぁこのイタズラはともかく、Aさんには少し警戒した方が良いですね」

「そうだね」



明らかに故意に貼り付けられた発信機によって、偶然落ちてしまったかもしれない、という可能性はなくなった。

発信機だと気がついた上での行動……。

味方であるにせよ、敵であるにせよ、厄介な事になる前に調べておいた方がいい。



「「嘉島Aさん……ねぇ」」



ちょっとした出来心でしたAの行動が、２人の探偵心の火に油を注ぐ行為だったなんて、Aは全く気づくはずもなく、ケータイショップへ向かっていた。

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