この世界でうまくやり過ごす方法【名探偵コナン】

荒療治 ページ2

「ねぇ、伊織。今からテレビ見に行っていい？」

『却下。A、あんたどうせアニメでも見る気でしょ』

「う″…」



図星すぎる。



『私も今映画見てるしね』

「うあ〜〜、萎える〜〜！」

『大げさ(笑)……あ。そーいえば、昔お母さんがテレビの写り悪い時は叩いて直すって言ってたわ』

「えっ！ それマジですか？！」



希望が見えた……！

伊織の言葉に私はバッと立ち上がりテレビへと直行する。



『まぁ言っても、昔の分厚いテレビの時代だけどね。……って、あんたまさかするつもりじゃないでしょうね？』

「え。薄型テレビだと効かない？」

『バカっ！ 壊れるかも知れないからやめな！』



忠告してくれてありがとう。

でも、どうせ壊れてるんだから試してみて直るのなら直したい。



「いきまーす！ おりゃっ！！」



ガンッと薄型テレビの上部をグーで強めに叩いた。



「痛ぁ……あ？！ 直りかけて、る？」



テレビに色味が復活してきたと思ったら、今度はどこか光りすぎてるような……。

そんな風に考えているうちにも更に光は強くなっていって、目の前が真っ白になった時、強く叩きすぎたと後悔した。

ケータイから伊織の呼ぶ声も、テレビの音も徐々に耳から遠のいていく最中、私はただ『名探偵コナン』が見たかっただけなんだけどな……

と、そう思って知らぬ間に意識が途絶えた。

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