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如月「俺の前では?」
『覚えてません』
如月「目が泳いでる」
『何が言いたいんですか』
如月「俺のせいだろ、」
『だから違うって…っ!!!』
ばっと先輩の方を向き、反論しようとしたが先輩の目は鋭く、怒っているように見えた。
如月「言え」
『何を』
如月「俺のせいだって」
『何のことですか』
如月「あの日のせいだろ」
『…………だから』
如月「じゃあさっきからの俺に対しての態度は何?」
『何って……』
如月「他の先輩には信じられないくらい笑顔だったな」
『それは………』
如月「俺とは、目もなかなか合わせなければ、相槌も冷たい。勘違いすんなよ、嫉妬とかそういう類じゃないからな、俺はお前にそんな感情は抱いてない。俺と会ったら昔のくせが出るか?
俺とあの人たちの違いはなんだ」
『………何を言って……』
如月「俺には分かる、
昔のお前を知ってるか知ってないかだ」
少し昔話をしよう。
当時、高校生だった私は今ほど忙しくはなかったものの、声優のお仕事はいただいていた。
だから学校に毎日行くことなんてできなくて、行ける日、行ける時間に授業を受けて、足りなかった分は補習を受けて…と高校生にしては忙しい日々を送っていたと思う。
だからと言うと言い訳みたいになるが、毎日元気に愛想を振りまくほど自分に余裕がなかった。
そんな時に素の私を受け入れてくれたのが、この、如月響也という先輩だった。ひょんなことから話すようになり、愚痴を聞いてもらっては、八つ当たりなんかもした。
でも、それでも抱えるものが多かった私は、日に日に高校で愛想が悪くなって、友達もすこしずつ離れていった。それでも如月先輩だけは隣にいてくれて、どんな私でも優しく受け止めてくれた。
そんなある日、事務所に一通の手紙とともに写真が送られてきた。そこには私の高校での振る舞いが綴られた手紙、そして如月先輩と2人で歩いている写真だった。
端的に言うと、脅しだろう。如月先輩に好意を寄せていたか、私の活動に嫉妬心を抱えていた誰かの仕業。もちろん事務所には注意を受け、それから先輩とも話すことはなく、
___愛想のいい椎名Aが出来上がった。
この歳になってからは、もうそれが普通で。特に苦を感じるわけでもなく、プラスの方向に変われたと思っている。
でもそれは私だけが勝手に思っていただけて、この人は、違った。
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はまやらわ(プロフ) - 初めて書かせていただきます。めちゃくちゃこのお話好きです!!これからも頑張ってください!個人的にはさとみくんとともくんの絡みをもう一回見てみたいです。わがまますみません。更新頑張ってください!! (2022年6月15日 22時) (レス) id: 1023d03311 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - sakubasho3104さん» わあ(°▽°)うれしいです!!嵐さんと声優さんの絡みも作っていこうかなと思ってますので、お楽しみに! (2021年11月11日 21時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
sakubasho3104(プロフ) - 初めまして。嵐も声優さんも大好きなので楽しく読ませていただいております!!お話を作られるのが凄くお上手なので読みやすくてどハマりです。個人的には嵐さんと声優さんの絡みがみたいです。推しと推しの絡みが好きなのですが現実ではあまりないのでせめてお話でと… (2021年11月9日 1時) (レス) id: a7f4955344 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - レイさん» うわ、ほんとだ……ありがとうございます!!!梶さんですね!!わかりました!! (2021年11月3日 16時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 個人的には梶さんとの絡みがもっと見たいです。………後、オリフラ立ってますよ(コソッ (2021年11月3日 16時) (レス) @page1 id: 397318e50c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひながき | 作成日時:2021年11月3日 14時