いい加減にしろ！！

取扱説明書 ページ8

梅原｢なにやってんの先輩｣

『なんだと思う？』

梅原｢分かってたら聞きませんよ｣

『だよね、知ってる』

梅原｢それで？何やってんすか｣

『え、ちょっと凶器が抜けなくて』

下野｢(まだやってんのかよあいつ)｣

梅原｢あ……はあ…｣




梅原裕一郎、男性。何歳だっけ、私よりは下。

でも多分そこまで変わらなかったと思う。

彼は私の寄行を引いた目で見ている。ガン見はしていないものの、見続けられると気になる。未だに私を見ている彼に対して視線だけを向けた。




『うめってさあ、顔いいよね』

梅原｢なんかそれ今気づいたみたいな言い方しますけど、会う度言ってますよ｣

『え、そーだっけ』

梅原｢もうおばさんだから記憶力g｣

『は？』

梅原｢なんでもないっす｣

『ねえ見て、ネイル変えたの』

梅原｢それ邪魔じゃないんすか｣

『…うめってさあ、モテないでしょ』

梅原｢いや、モテます｣

『顔だけな』

梅原｢モテます｣

『うるさい黙れ。可愛いねくらい言ったらどうなのさ』



もう、黙ってたらいけめんなのに、残念イケメンとはこいつのための言葉だと思う。釣れないやつだなと思いながら、台本確認をしてると。



梅原｢可愛いよ｣

『へ？？』


急にぐっとソファに手をついて近づいてきた。


『近いって。いやさらに近づかなくていいから！』

梅原｢照れてんの？｣

『は？おにいの方がいけめんだから』

梅原｢そうだろうけど………急に？｣

『生意気だなお前！照れるわけないでしょこんなんで』

梅原｢なんで怒ってんだよ｣

『怒ってないし。ていうか、私先輩なんだけど？敬語は？』

梅原｢は？？お前が歳も１個しか変わらないしタメにしてよってうるさかったんだろ｣

『言ってないけどそんなこと』

梅原｢言ったろお前この野郎。
ふーん、じゃあまた敬語使えばいいんだろ｣

『…………』

梅原｢？？？｣

『いや、いい。タメでいい。』

梅原｢あ？？｣

スタッフ｢椎名さん！ちょっといいですか？｣

『あ、はーい！』









下野｢面倒くさって思ったでしょ｣

梅原｢はい｣

下野｢大丈夫、みんな思ってるから。扱いが難しいんだよな、あいつは｣

梶｢確かにねえ、まあなんか与えとけば大人しくなるんだけど｣

下野｢最初は難しいよなぁ｣

梅原｢(動物の話じゃないよな？)｣

下野｢まあでも、慣れれば大丈夫だよ｣

梅原｢はあ…｣

梶｢イライラしたら俺に言って

黙らせとくから｣

梅原｢(黙らせる……？)｣

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