いい加減にしろ！！

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『昨日ぶりですね、梶さん』

梶｢そうだね｣

『一緒だったんなら言ってくださいよ』

梶｢わかってると思ってたからさ｣

『でも梶さんで良かったあ、なんか今日は林原先輩の機嫌が悪いので』

梶｢どこに俺でよかった要素があるの…？｣

林原｢新人〜！！ちょっときて〜｣

『はい！！』







梶｢新人………？｣









山口｢あいつはここだと新人って呼ばれてるの｣

高山｢理由はそのまま、圧倒的新人だから｣

梶｢あぁ……新人……｣

山口｢いじめじゃないからな｣

高山｢愛だからね｣

山口｢特に林原は溺愛してる｣

高山｢パシリに見えるかもしれないけど、愛だからねあれ｣

梶｢(愛…………？)｣





山口｢でもあいつすごいよなあ、自分で言うのもなんだけどこんな先輩ばっかに囲まれて普段の演技ができるって｣

梶｢それは俺も思います｣

高山｢肝が据わってるっていうか、落ち着いてるっていうか｣

山口｢普段のギャップもあるよな。
こんなこと言ったら林原が怒るかもしれないけど、昔の林原に少し似てる｣

高山｢あ〜……｣

山口｢まあ、あんなうるさくはなかったけどな｣













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不思議と安心感がある2人に挟まれた梶は、椎名を眺めながら心の奥底にあった本音をこぼす。



梶｢たまにあいつに置いてかれてる感じがするんです
それは多分俺だけじゃなくて、中堅世代っていうか｣

高山｢この前、神谷も言ってたなあそんなこと｣

梶｢神谷さんが？？｣

高山｢違う現場で少し話す時があって、最近どう？みたいな話をした時にね｣

梶｢椎名のこと話したんですか？｣

高山｢うん、ちょっと焦ってきてるって。なんか覚醒してるとも言ってたな｣

梶｢覚醒……なんとなく言いたいことは分かります。なんか最近吹っ切れた部分があるらしくて今まで見せたこと無かった演技をするようになりました｣

山口｢いい意味で突っ走ってるな｣

梶｢はい、だから置いてかれてないかなって｣




それは微かに不安の感情が乗せられた声色だった。













『梶さん何に置いてかれたんですか？』








梶｢っ！！！いるなら言ってよ！！｣

『なんか楽しそうに話してるなと思って』

高山｢椎名の悪口言ってたの｣

『え、泣きますよ』

山口｢嘘だから、笑｣

『いやあ、梶さんがいてほんとに良かったです。この先輩たち怖いから』

高山｢素直すぎるだろ｣

『がんばりましょうね！！！』

梶｢……うん、がんばろう｣

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