いい加減にしろ！！

見透かしてる ページ35

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『もしもし、』

福山｢お前今日オフだろ？｣

『…なんで知って……いや、はいそうです』


ツッコもうとしたが、どうせ私のマネージャーに勝手に聞いたのだろう。

私のプライバシーは何処へ…？




福山｢じゃあ夜飲みな、いつものところで｣

『サシですか？』

福山｢嫌か？｣

『いえとんでもない』

福山｢じゃあ、そゆことだから｣

『あ、はい』


…怒ってらぁ。声から分かる、怒ってらぁ笑


もう１人で苦笑いするしかなかった。




〜〜




『すみません！事務所寄ってたら遅くなっちゃって』

福山｢俺も今来たとこだよ｣

『いけめんか』

福山｢そうだろ｣

『…そこは否定してこその真のいけめんなのでは』

福山｢うるせえな笑｣






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福山｢お前何飲む？｣

『ん〜生で』

福山｢おっけー｣



福山さんが注文してくれている間、私はじっと彼を見つめる。



福山｢そんな見られると穴あくんだけど｣

『あ、すみません』

福山｢なに？｣

『え？あ、あぁ、その。

………怒ってないのかなって……』

福山｢……｣



福山さんは私から目線を逸らして考えるように下を向いた。そして何が言おうと口を開くが、何故か口を閉じて私の方に手を伸ばした。



『え……？』



伸びてきた手は私の頭に乗っていてゆっくりと優しく撫でてくれる。



福山｢なんか吹っ切れたみたいな顔してっから怒るにも怒れねえよ｣

『………先輩は私のことなんでもお見通しですね』

福山｢あぁ、お前のことならなんでも分かるよ｣

『大好きじゃないですか、私のこと』



そうやっていつもみたいにふざけると返ってきた言葉は予想外のもので、



福山｢あぁ、そうみたいだな｣

『へ？』



随分と間抜けな声が出たと思う。同時に顔に熱が帯びてくのが分かった。



福山｢いや、そういう意味じゃなねえからな？｣

『っ！わかってますよ！！』

福山｢うるさ！声でけーよ｣

『いちいちからかわないでください！』

福山｢は？お前が聞いてきたんだろ！！｣

『っ！そうですけど！

…後輩を弄ぶとか、どうなん、ですか』

福山｢お前なぁ……｣

『…まあでも、ありがとうございます』






なんで泣いてたのか、とか


我慢してるんじゃないか、とか


本心は誰かに話せたのか、とか




直接的なことは何も聞かれてないけど何故かこの人にはお礼を言わなきゃいけないと思った。


そんな分かりにくい私の言葉にもこの人は





福山｢おう｣






見透かしたような笑顔で返すんだ。

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