いい加減にしろ！！

王子様とエスパー ページ22

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『はい、すみません。ほんとすみません。分かりました。はい、失礼します。』




ペコペコと見えない電話の相手にお辞儀する。


あの………風邪ひきました。


こんなときに看病してくれる彼氏はいません。少女漫画のようにはいきません。みなさん、これが現実ですよ。



(ピンポーン)



『えっ、王子様？？』



そんなわけないかと思いながら玄関へ行くと、






『……王子…様…？？？』

櫻井｢お前、相当やられてんな｣

松本｢いつものことでしょ｣

『なんだ潤くんもいるんだ』

松本｢しばくぞ｣

『あの私、見ての通り風邪をひいてるんで、お兄様方にかまっている暇はないんですが』

櫻井｢知ってる。だから、看病に来たの｣

『…へ？？国民的スターのお2人が？』

松本｢ニノに頼まれたんだよ、ニノは撮影でどうしても抜けられないらしいから｣

『いやいや、ふたりは？休み？』

櫻井｢そう、たまたま休みが被ったからニノの代わりにきてやったの｣

『大げさすぎるでしょ、私も一応大人なんですけども』

松本｢いいから病人は寝とけ｣



なんて言って潤くんはズカズカと家に入ってきた。



『(一応大人の女性の家なんですが…)』









櫻井｢熱は？どれくらい？｣

『いやあ、現実的なものを感じたくなくて測ってません』

櫻井｢はぁ？？いいから測れ｣



(ピピピッ)



『わあ、翔くん見てこの体温計壊れてる』

櫻井｢壊れてんのはお前だバカ｣

『ぁいてっ、叩かないでよ。何度も言いますが私病人です』

櫻井｢もういいから寝てろ｣








松本｢なんか食べたの？｣

『んーん、食欲なくて』

松本｢ゼリーとか買ってきたから、とりあえず食べれる時に食え｣

『やだ、潤くんいけめん』

松本｢ほんとにこいつ風邪ひいてんの？全然いつも通りなんだけど｣

『ごめんなさいね、こういう時に弱った姿とか見せたらギャップ萌えするんでしょうけど、生憎そんな簡単に弱りませんので』

櫻井｢よく回る口だな｣






松本｢今日の仕事は？ちゃんと連絡入れた？｣

『ちゃんと連絡したよお母さん』

松本｢誰がお母さんだよ｣

『…………

レギュラーのアニメだったのにたかが風邪で休んでしまうとか。落ち込んでたんだから掘り返さないでよ』

松本｢しょうがないでしょ、風邪なんだから｣

『あーあ、どうしよう。申し訳なさ過ぎて溶けそう』

櫻井｢溶けれるもんなら溶けてみろ｣






『ていうか、おにいも過保護だね。

ツンデレのお手本みたいな人間だよね』

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