Prolog ページ1
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部屋の中は真っ暗だった。室内の明かりはすべて消されているからだ。その空間の中、ある人物の声だけが響き渡る。
『は？』
冒頭から物騒な言葉を放った彼女の名は、糸野A、歳で言ったら高校生。
先程のドスの効いた声からは簡易に想像出来ないが、まだピチピチのJKである。ダボダボのグレーのパーカーの中には少しシワのついたワイシャツ。下はスーツズボンを履いている。整っているのかどっちなのか分からない格好だ。
そんな彼女がいる場所は、東京に位置する公安委員会の高層ビルだった。
彼女の右手にはホチキスで留められビッシリと文字が綴られている資料。そして左手には通話中の携帯電話。
『眠田さん、それ真面目に言ってんの？』
電話の相手は彼女の上司である眠田慧、29歳。公安委員会を引っ張るバリバリのエリートである。
眠田｢"真面目に言ってるよ"｣
『ありえない、この前くそでかい組織潰したばっかでしょ？しかも私の指揮で』
眠田｢"あぁ、よくやってくれた"｣
『労いの言葉をくれなんて言ってないっての』
眠田｢"なんせ会長からのご命令なんだ。他に回すわけにはいかない"｣
『まったあのおばさんかよッ、くそッ』
眠田｢"こらこら、そんなこと言わないの"｣
会長会長って、そんなにあのおばさんが偉いのかね。つか命令とかいつの時代の話だよ、いっそのこと会長から女王様にでも改名しろ。と口には出さないが十分に貶す。
眠田｢"とにかく明日、任務先と顔合わせしてもらうから。そこんとこよろしくね"｣
『あ？明日って』
眠田｢"あ、もう今日か"｣
『いつもいつも連絡すんのが遅いって何回言ったら』
眠田｢"ごめんね〜。じゃ頑張れ"｣
プツっと電話が切れる音と同時に彼女の頭の中で何かがキレる音がした。
彼女が属しているのは国の治安を維持するため、秘密裏に動く公安委員会。
ホークスのようにヒーローとして活動している公安の者もいるが、彼女の場合は違う。
幼い頃からここで育ってきている点ではホークスと変わりない。ただ周りと比べて変わっていることが1つある。
【ヒーローになどなりたくない】
という謎の強い意志だ。
過去に何かあった、というのは今語るべきではないだろう。まず皆が憧れるものに頑なになりたくないと言うのだから、過去に何かがあったことは憶測がつく。
『ったく、なんで私があんな場所にッ』
彼女の悪態は、まだまだ長い夜へと消えていった。
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坊ちゃん団子 - ひながきさん» もちろんですぅ！糸野かっこいーですね！！ (2023年1月8日 20時) (
レス) @page27 id: f9cc241d98 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - 坊ちゃん団子さん» ありがとうございます！のろま更新ですが待っていただけると嬉しいです！ (2023年1月7日 17時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
坊ちゃん団子 - 大好きです！！応援してます！ (2023年1月6日 8時) (レス) id: f9cc241d98 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - 推しの財布さん» 夢主っぽくない夢主ですが、今後も楽しんでいただけたら嬉しいです！ (2022年11月29日 19時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
ひながき(プロフ) - これはお咲さんさん» うわぁ！ありがとうございます！ (2022年11月29日 19時) (レス) id: 4bea1154e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひながき | 作成日時：2022年11月14日 18時
