いい加減にしろ！！６

・ ページ31

_








３人は黙って私の話を聞いていた。






『明確な理由がある訳じゃないけど、それくらい自然に人を惹きつける何かがあったからじゃない？だから選んだんだろうね、私』











もちろん他のグループのナレーションも担当した。だけど、私が惹かれたのはこの2つのグループだった。



人には魅せる才能がある。だが、それは誰にでも対応する訳では無い。相性がいいのだろう、2つのグループとの。



……なんて言ったら調子に乗るだろうし、その前に私が恥ずかしくなるので絶対に言わない。



















私の話を真面目に聞いてた３人は聞き終わる頃にはとても柔らかい表情になっていた。





菊池｢姉さん、俺泣いていいっすか｣

『男がこんなんで泣くな』

田中｢やべえ俺も泣きそう｣

森本｢俺も｣

『お前は嘘だな』





あ゛〜と言いながら天井を仰いでいる菊池は途端に私の両手を包み、ギュッと握った。






菊池｢俺まじ、姉さんの演出を超えるパフォーマンスして、姉さん泣かしますから！！！｣

『そんな全力でお前泣かすぞ宣言されても』

田中｢お前が言うと危なく聞こえるな｣

『それな』

森本｢とにかく！すげえ楽しみだね｣

『そうだね、笑』








私の不安も、彼らの元気さで少しは無くなったかもしれない。ありがとう、ヤンキー軍団。



















『じゃ、私先帰るけど出来るだけ早く切り上げなよ？体に響くぞ』




ある程度飲んだ私たちはとりあえず一軒目を後にし、今は２軒目で飲み終え私だけタクシーで帰ることに。




田中｢大丈夫っす。俺ら若いんで｣

『全国のギャルから嫌われろ』

田中｢それは困るからやめて｣




そんなマジな顔して言うな。冗談だわ、冗談。




森本｢どうせまたすぐ会えるんでしょ？笑｣

『あぁ、それもそうね。どうせすぐ、笑』

菊池｢楽しみにしてますね！｣

『はいはい、じゃあね』




タクシーに乗り手を振ると、3人して｢お疲れ様です！｣って頭を下げるもんだから少し恥ずかしくなる。

タメ口なんか使ってくるけど、根っからの体育会系だからそういうところはちゃんとしてるんだよな。




『〇〇までお願いします』

「はい」









そういえば、菊池は｢楽しみです｣なんて言ってたけど、私からしたらライブ打合せで椅子に１２時間も座っていたという松本潤伝説を聞かされたおかげで、少々ビビっている。



お願いだから松本潤よ、優しめで頼むぞ。










_

多忙を極める→←・

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す