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『そうだ、喋ってる場合じゃなかった。甲斐くん、先生の所行こう！』
「行かねえよ。見つかんなかったって適当に言っといて。」
『だって見つけちゃったもん。先生に嘘吐けって言うの？』
「お前、真面目かよ。」
『だって優等生だもん。』
「自分で言うか？それ。」
なんだよそのドヤ顔。なんなんだよこいつは。別にほっときゃいいのに、俺のことなんか。
「とにかく、行かない。だからもう戻れよ、授業始まんぞ。優等生は遅刻なんかできねえだろ。」
『ねえ、なんで行かないの？』
「行くわけねえだろ。どうせ怒られるだけだし。」
『なんで怒られるの？』
「なんでって、喧嘩したからに決まってんだろ。」
『なんで喧嘩したの？』
「もうなんでなんでって、お前うるせえな。別に理由なんかねえよ。ムカついたから喧嘩した。それだけに決まってんだろ。」
しかも聞いてどうすんだよそんなこと。関係ねえだろお前に。言ったってまともに聞いてくれる奴なんか今までいなかったし、こいつだってそうだと思ってた。
強めに言えばいなくなる。そう思ったから敢えて声を張って答えたのに、こいつはジッと俺の事を見つめて全く動こうとしない。
『なんで嘘吐くの？』
「は？」
『だって甲斐くん、喧嘩が悪いことだって分かってるんでしょ？それなのに喧嘩したってことは、何か理由があるからでしょ？』
「…何言ってんの、お前。」
『例えば誰かを助ける為とか、何かを守る為とか。そういう理由があったから、喧嘩しちゃったんじゃないの？甲斐くん、優しいからね。うん、それなら怒られる筋合いないよ。もし怒ったら、私が先生のこと怒るもん。』
そう言って微笑むこいつの顔を見た途端、目頭が熱くなるのが分かった。感動とか性に合わないし、適当なこと言うなよって他の奴になら思えんのに、なぜかそう思えなくて。
一瞬で、俺はこいつに心を奪われた。直感で、こいつを好きだと思った。たった数分のこの時間の中で、一生傍にいてほしい、そう思ったんだ。
丁度鳴り響いた授業の始まりを告げるチャイムが、俺がAに恋に落ちたことを示すゴングのように聞こえた。
「A、あのさ、」
『あー！！！』
「なんだよ…。」
『授業始まっちゃった。…まあ、いっか。サボっちゃお、優等生だけど。』
「だから自分で言うなっつーの。」
あの日屋上で、俺はAに恋に落ちた。
Aには言えないけど、喧嘩しといて良かったかもな。
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mi(プロフ) - どれも素敵な話ばかりでキュンキュンが止まりません！！リクエストなんですが、ぶっきーと主ちゃんが喋ってるのを見てヤキモチ妬いちゃう甲斐くんが見たいです！！ (2019年4月10日 22時) (
レス) id: 6e948807d3 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - ぴよこさん» かなり不安だったので、そう言っていただけて安心しました！！笑ダブルデートも随時更新していきますので、お待ちくださいませ(..) (2019年3月8日 11時) (レス) id: 1b42d9b9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ - ありがとうございます！バカップル面白かったです！(シンクロニシティ)二人は深く愛し合っているってことですね！素敵ですね！(´∀｀* ) (2019年3月5日 12時) (レス) id: 3b2655e660 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - ぴよこさん» リクエストありがとうございます！本編にもコメントいただき、ありがとうございました♪早めに更新させていただきますので、もう少しお待ちくださいませ(..) (2019年3月4日 14時) (レス) id: 1b42d9b9b9 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ - あともうひとつ、中尾くん&涼音ちゃんカップルと甲斐くん&主人公カップルのダブルデート書いてほしいです。一気にたくさん書いてしまってすみません(>_<) (2019年3月2日 0時) (レス) id: 3b2655e660 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cocoa | 作成日時：2019年2月1日 11時
