◎ 8 ページ9
.
茅「真壁くんは弱くなんかないよ。澪奈が言ってた。」
自分のせいで翔の選手生命を奪ってしまった。
だから翔の為にも、自分が一分一秒でも早くゴールをする。
それが、自分に出来ることだと、澪奈は茅野ちゃんにそう話していた。
きっとそれは、辛い現実を受け止め、そして乗り越えてマネージャーとして支えてくれる翔の姿を見たから思えたのだろう。
里「なんだよっ、知ってたよ、…こいつが、真壁が俺より強えって。取り返しのつかないことしたって、そんなん知ってたよ、っ！」
『海斗…。』
里「殴ってくれよ。殴れよ…。」
翔「景山は、きっとそんなこと望んじゃいないよ。この悲しみを、…力に変えてくれ里見。景山の分まで。」
失ってしまった事実は変わらない。
そしてその原因を作ってしまった事実も、加担してしまった事実も変えることが出来ない。
その先に何が出来るのか。
それは、自らの罪を確りと受け止め、背負い、それを糧にして生きていくしかないんだ。
これで、海斗も前に進める。
そう思ったのに。
柊「刑事さん、今僕が語ったことはあくまで理想論です。でも、現実はそんな甘くない。」
『っ、！』
目の前には、私達に銃口を向ける先生の姿。
なんでそんなものを。
私を庇うようにして前に立つ隼人の背中に、震える手でしがみついた。
先生は殺しなんかしない。
その希望が一瞬にして絶望へと変わった瞬間だった。
柊「今から呼ぶ五人は隣の美術室に来い！それ以外の者は教室から出るな。出たら命の保証はない。」
里「待ってくれ！五人のうち一人は俺でいい。」
『何言ってんの、？』
里「これが正しいことだなんて思ってねえ。でも、これは俺が撒いた種だ。俺は、ここにいる誰よりも責任を取らなきゃいけねえっ！償わなきゃいけねえっ！」
翔「里見…。」
そんなの違う、だとしても殺されていい理由になんてならない。
そう思ってるのに、私は声を上げることが出来なかった。
柊「いいだろう。残るは四人だ。…瀬尾雄大！」
瀬「ふざけんなっ、なんで俺が！」
柊「堀部瑠奈！」
堀「いやあぁぁっ！」
柊「西崎颯真！」
西「…え、」
柊「結城美咲！」
美「嫌だっ、！嫌だ、やだ…っ！」
必死に先生の動きを止めようとする刑事さんの言葉も、頭になんか入ってこない。
みんなを助けたいのに何も出来ない。
どうすることも出来ない中、名前を呼ばれた五人は、美術室へと連れて行かれてしまった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 796人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cocoa(プロフ) - 彩華さん» 彩華さん、ありがとうございます！楽しみですよね〜♪始まる前に4話完結させますね！ (2019年2月3日 14時) (
レス) id: eb2fd422b8 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 毎回めっちゃキュンキュンします〜！明日のドラマも楽しみですねヽ(｡>▽<｡)ﾉ (2019年2月3日 2時) (レス) id: 303c26c9ac (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - Nanam0704さん» Nanam0704さん、ありがとうございます！これからも頑張りますので、末永く応援宜しくお願い致します！ (2019年2月1日 11時) (レス) id: eb2fd422b8 (このIDを非表示/違反報告)
Nanam0704(プロフ) - 初めまして！ いつも楽しみに見ています！！これからも応援してるので頑張ってください☆ (2019年1月31日 23時) (レス) id: e7b72ba5d5 (このIDを非表示/違反報告)
cocoa(プロフ) - 彩華さん» 彩華さん、ありがとうございます！とても嬉しいです！！これからも宜しくお願いします＊ (2019年1月31日 22時) (レス) id: eb2fd422b8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cocoa | 作成日時：2019年1月28日 14時
