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「………あれ?」
思わず缶にプリントされた『ココア』という文字をまじまじと見つめる。
本当にココア?
目をゴシゴシと擦ってみても、やっぱりココアだ。
「業者さん中身間違えた?」
真面目にそう思うほど、これはココアなんかじゃない。
「甘い……」
甘い、甘すぎる……何これ?
私の知っているココアはもっと苦い。
ココアってこんな甘かったっけ?
今まで飲んでいたココアは何?
「…大人になったってことかな」
ひとり呟いて、納得する。
そういう事か。大人になったんだな、私。
今度コーヒー飲んでみよう。
今までよりもずっと甘くて美味しいココアを一気に飲み干すと、ウキウキ気分でスキップをしながら家に帰った。
「ただいまー……」
寝ている快斗を起こさないようにそうっとドアを開ける。
薄暗い部屋の中、紺色のソファを見やる。
………いない。
突然来て突然いなくなる……なんて彼らしい。
ソファの上には、快斗の代わりと言っては小さすぎる紙切れ一枚が乗っていた。
『聖夜、貴方というプレゼントを頂きに参ります』
右下には快斗みたいにニヤリと笑うキッドマーク。
……きっとこれが風に飛ばされた予告状だ。
わざわざ拾ってきたのか、それとももう一枚持っていたのか。
どっちにしろ嬉しい事には変わりない。
けれどもプレゼントが私って……
相変わらず怪盗キッドな彼は気障だ。
ソファには快斗の温もりがまだ残っていたようで、座るとほんのり温かい。
「えっ………!」
自分で出した声に自分で驚いて口を抑える。
持っていた予告状を何気なく裏返すと、真っ白なはずの紙面に黒いボールペンの字が刻まれていたのだ。
『付き合ってるに決まってるだろ』
惚れ惚れするほど達筆なこの文字は、快斗の字だ。
……あのとき。
家を出る前に呟いた言葉……聞かれていたのだ。
自分でもありえないほど頬に熱が集まるのが分かる。
─────……今日は、最高のクリスマスだ。
ラッキーアイテム
トランプ銃
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーパートナー
黒羽快斗
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みっ(プロフ) - 未来ーミクーさん» 楽しんで頂きありがとうございました!次作も今週くらいにできる予定なので、是非そちらもよろしくお願いします! (2020年1月14日 20時) (レス) id: 623dd5745c (このIDを非表示/違反報告)
未来ーミクー(プロフ) - 面白かったです!!私までもが熱くなりました。今でも体中が熱いです。更新頑張ってください! (2020年1月13日 19時) (レス) id: 6e3b9846a0 (このIDを非表示/違反報告)
みっ(プロフ) - 星麗奈さん» 時間かかってしまって申し訳ないです!やっと完結しました〜 (2020年1月13日 9時) (レス) id: 623dd5745c (このIDを非表示/違反報告)
星麗奈 - 続き楽しみにしてます! (2020年1月6日 21時) (レス) id: 3e044ff672 (このIDを非表示/違反報告)
みっ(プロフ) - 実桃さん» ありがとうございます!更新頑張りますので楽しみにしててください! (2019年12月19日 7時) (レス) id: 069a13c367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっ | 作成日時:2019年12月14日 15時