いかないで《Hikaru.I》 (ページ9)

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わかってるページ9

岩本さんがジャニーズだと知ってから、会う度に緊張してしまってぎこちなくなる。

A「いらっしゃいませ。」

『いつもので！』

A「かしこまりました。」

『今日、電話してもい？』

A「だ、大丈夫ですよ。」

『おっけ、じゃあかけるね。』

A「はい。」

緊張して目も合わせられない。

『ねぇ。』

A「はい？」

『なんか変。』

A「なにがですか？」

『Aちゃん。』

A「私？」

『うん。なんか前と違う。何かあった？』

A「あぁ、気付いたっていうかわかったんですよ。」

『ん？』

A「岩本さんがジャニーズだって事。」

『あ、やっぱり気付いてなかったんだね。』

そう言って笑う。

A「びっくりしましたよ。テレビ見て岩本さんがいたから。」

『いや、気付いてて言ってないだけかと思ってた。』

A「いや私、そういうの疎いんで。
だって私ジャニーズの電話番号持ってるし
顔見知りなんですよ？やばくないですか？
それに今私ジャニーズと話してるんですよ？
そんなの緊張するに決まってるじゃないですか。」

岩本さんは声を出して笑う。

『ねぇ緊張とかしないで。
普通の人として見てくれたらいいから。』

A「無理ですよ…」

『これから普通に今までみたいに接してたら、普通の人過ぎて俺がジャニーズだって事忘れるよきっと。』

A「うーん、ですかね。」

『うん、そうです。じゃ仕事あるから行くね。』

A「はい。頑張ってください。」

『うん、ありがと。またね。』

そう言って店を出る。

岩本さんは絶対忙しいはずなのに
時間ができたら電話かけてきてくれたり、
こうやって店に足を運んでくれたりする。

自分が惹かれ始めている事ぐらいわかってる。
でも、ダメ。そう言い聞かせる。

でもこの気持ちが恋に変わるのは
きっと時間の問題だろう。

岩本さんは私のこと、どう思ってるのかな。