いかないで《Hikaru.I》 (ページ7)

今日:5 hit、昨日:16 hit、合計:123,492 hit

☆期待ページ7

『おつかれ～』

《おつかれー》

メンバーに挨拶して、気合を入れていつもの店に向かう。

俺がお店に足を運ぶ度俺達の仲は深まっていっている気がして嬉しい。

でも一向にあの子は俺が芸能人って事に気付いてくれない。
あんまりテレビ見ないって言ってたしなぁ、いや実はジャニーズとかに興味無いだけで気付いてるのかな。

そんなことを考えながら店に入る。

「今日はどうなさいます？」

『いつもの！』

「かしこまりました。」

今日は伝えたい事があって来たからいつもみたいに壁際には行かない。

『ねぇ。』

「はい？」

『紙とペン持ってない？』

「ありますよ？」

『ちょっと、貸して。』

ポケットからメモ帳1枚とボールペンを出して渡してくれる。

『ありがと。』

サササッと俺の電話番号と名前を書いて渡す。

『ん。』

「これって…」

そう言って俺を見る。

『俺の名前と電話番号。気が向いたら電話してよ。』

恥ずかしくなって目を逸らしてそう言う。

「ありがとうございます。
気が向いたら、しますね。」

こんなにもかわいい見た目してるくせに大人びた事なんか言うから、脈なしだなと思ってがっかりする。

「嘘です。今日、時間が空いたら電話かけさせてもらいますね。」

君は恥ずかしそうにそう言う。

その言葉に俺の心は舞い上がって一気にテンションがあがる。

俺、めっちゃ振り回されてるなぁ。

君が連絡してくれるって言うから、
嬉しくしていつもより頬がゆるゆるだ。

『待ってるね。』

ちょっとでも君にドキドキしてほしくて店を出る時に耳元でそう囁く。

すると君はびっくりしたみたいな顔して顔を赤くした。

そんな顔しないでよ。
君を期待させるつもりでした事なのに。

俺が期待してしまうから。

俺は日に日に君の魅力に溺れていく一方なんだ。