いかないで《Hikaru.I》 (ページ45)

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辛く幸せな朝ページ45

カーテンから差し込む朝の光で目が覚める。

隣を見ると照が寝てる。

今日からこの人が私の旦那さんかあ。

そう思うだけでにやけてしまう。

照の寝顔に見惚れていると照が目を覚ました。

『ん、、、A。おはよ。』

A「おはよ。
さ、起きましょ旦那さん。今日も仕事でしょ？」

『ねぇ恥ずかしい！照でいいから。』

A「1回呼んでみたかっただけ！」

『なんだよ照れるなあ』

2人で並んで顔を洗って2人でご飯を食べて2人で歯を磨いて…

これからこんな毎日が続くと思えばまたにやけてしまいそうになる。

『今日、事務所から公式発表するね。』

A「うん。わかった。」

『ここまでマスコミにもバレなくてほんとよかった。』

A「私達うまくやれたね。」

『うん。よかったほんとに。』

A「じゃあ私は今日家の荷物まとめてくるね。」

『うん。気を付けてな。
どっちの家電使うかとかはまた相談しよ。
あ、あと重いやつは俺が運ぶから置いときなよ。』

A「はーい！」

『じゃあ行ってきます。』

A「うん。頑張ってね。」

『ありがと。』

そう言って笑って私の頭を撫でて家を出る照。

自分の頭に手を置く。

あと何回、照のあの大きくて優しい手で頭を撫でてもらえるんだろうか。

あと何回、私は照と抱き合うんだろうか。

あと何回、私は照とキスをするんだろうか。

あと何回、私は照と愛し合うんだろうか。

あと何回、私は照に好きだと伝えられるんだろうか。

全てが最後に思えて、また涙が流れた。

A「こんな事してる場合じゃない。」

そう言ってパンパンと頬を叩いて私は自分の家に戻った。